内縁の妻・夫がいる相手との肉体関係は不倫になる?慰謝料の支払い義務について

公開日:2019.12.20  不倫の慰謝料

内縁の夫の不倫現場を発見既婚首と不倫関係になって慰謝料を請求されたという話は、よく耳にしますが、それでは肉体関係を持った相手に内縁のパートナーがいたとしたらどうなるでしょうか。この記事では、内縁のパートナーがいる相手と肉体関係になった場合、慰謝料の支払い義務が発生するのかについて解説をします。

内縁関係って何?

内縁関係にある人との不倫の是非を考えるには、まず内縁関係とは何かを押さえておく必要があります。

二人が婚姻関係にある場合は、戸籍によって確認することができます。入籍をしていれば、法律的に夫婦として扱われますから、たとえ結婚式を挙げていなくても、あるいは同居していなくても夫婦という関係に揺るぎはありません。

それで内縁関係とは、どのような状況であれば、法的に内縁関係として認められるのでしょうか。内縁関係として認められる条件について解説していきましょう。

長期間同居している

内縁関係として認められる最低条件として、長期間同居して共同生活を営んでいるということがあります。長期間とは、一般的に3年以上とされています。

同居している事実がないのであれば、内縁関係とは認められません。

近所や親せきから認知されている

日常生活を営むうえで、近所の人達から夫婦だと思われていることや、相互の親戚の法事に二人で参列しているという事実も内縁関係を裏付けるうえで重要です。

公的手続き上の内縁関係である

入籍をしていなくても、行政手続きで内縁関係を表明することは可能です。たとえば、住民票の続柄において、「未届けの妻(夫)」として登録することができます。

これにより、会社員や公務員のパートナーであれば、社会保険の第3号被保険者に加入することができます。

賃貸契約書に表明している

賃貸マンションに入居する際、賃貸借契約書において、同居人との関係を「内縁の妻(夫)」と記載してある事実があれば、内縁関係として認められる大きな要因となります。

子どもを認知している

同居している子どもを認知しているのであれば、内縁関係として認定される大きな要因となります。

婚姻の意思がある

内縁関係を立証するうえで、二人に結婚の意思があるということが非常に重要になります。とはいえ、心の内まで客観的な判断を仰ぐことはできませんから、どれだけ周りの人達に結婚の意思を示していたのかが重要です。

たとえば実際に挙式をしている、親戚や友人にお披露目をしている、職場や友人に結婚をした旨を伝えたという事実があれば、結婚の意思表示として評価されます。

内縁関係の相手からの慰謝料請求は正当か?

内縁関係になれば、お互いに貞操義務を負うという考えが一般的です。このため、パートナーが他の人と肉体関係を結べば精神的苦痛を受けるという点では、婚姻関係であろうが内縁関係であろうが、まったく異なることはありません。

したがって、内縁関係にある人の存在を知っていながら、肉体関係になり、その事実が内縁関係のパートナーの知るところになると、慰謝料が請求されることになります。

慰謝料の費用相場はどれくらい

現在、婚姻関係にある場合の不倫の慰謝料の相場が50万円~300万円とされています。精神的苦痛は、婚姻関係であろうと内縁関係であろうと変わりないとの考えから、内縁関係のパートナーがいる人と肉体関係を持った場合の慰謝料の相場は、50万円~300万円です。

慰謝料請求には応じるべきか

それでは肉体関係があった相手が、内縁関係のパートナーがいる人だった場合、慰謝料請求には絶対に応じないといけないのでしょうか。

相手に内縁関係のパートナーがいることを承知のうえで肉体関係になったのであれば、慰謝料請求に応じることはやむをえません。あとは責任の割合の協議になります。しかし、内縁関係のパートナーがいることを知らなかったとしたらどうなるでしょうか。ここでは、そんなケースでの対応を解説していきましょう。

内縁関係を知らなかったら慰謝料を支払う必要はない

内縁関係であることは、本人が意図的に公表しない限り、なかなか他人に知られることはありません。特に日本では、気になる異性を評価する基準として、既婚なのか未婚なのかについてこだわる意識が強いために、内縁関係のあるパートナーの有無まで問うことはあまりありません。

そのため付き合う相手が、あえて内縁関係のパートナーがいることを隠してしまうことがあります。さらには「独身である」と、堂々と言い切ることさえあります、たしかに戸籍上は独身ですから、言う方も罪悪感がほとんどありません。

たとえ相手の自宅に出入りする女性がいても、「姉である」とか「シェアハウスの同居人」と言われれば、つい信じ込んでしまいます。

内縁関係のパートナーから慰謝料を請求される裁判においても、相手に内縁関係のパートナーがいることを知っていたか否かが争点になります。

たとえばA子さんが、職場の同僚B男と肉体関係になる際、ただ単に付き合っている女性がいるという認識であれば、慰謝料を請求されても、不貞行為による損害賠償請求は認められないという判決に至ることになります。

つまり肉体関係のあった相手に内縁関係のパートナーがいることを真に知らなかったのであれば、慰謝料請求には一切応じる必要はないということです。

困ったときは弁護士に相談を

しかし、突然「内縁関係の妻」を名乗る女性から慰謝料の請求をされて、冷静に対応できる人はいません。慰謝料請求する相手の迫力に気圧されて、つい慰謝料の請求に応じてしまう展開もないとはいえません。

突然の慰謝料請求があった際は、けっして自分で判断することなく、法律の専門家である弁護士に相談することをお勧めします。法律的な見地から適切なアドバイスを受けることができるので、自分の落ち度の有無についても理解することができます。

おわりに

二人が内縁関係にあることは、外部の人間にはなかなか伺い知ることはできません。また内縁関係にありながら、別の異性と肉体関係を持つ人は、多くの場合その正体を隠したうえで、付き合いを進行させていきます。

もし慰謝料請求をされたら、自分に非があるからと責任を背負い込むことなく、ぜひ弁護士に相談をしてみてください。状況によっては、最悪の事態を回避できるかもしれません。

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タグ : 不倫 内縁
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