ダブル不倫で慰謝料請求された。慰謝料相場や減額、バレずに解決できるか解説

公開日:2020.02.08  不倫の慰謝料

この記事のポイント

 ✔︎ダブル不倫(W不倫)の示談は、それぞれの夫婦関係が継続するか否かによって、交渉内容が変わる

 ✔︎被害者が不倫の事実をバラすことを100%阻止することは困難


ダブル不倫(W不倫)とは、不倫した当事者の二人にそれぞれ配偶者がいることを意味します。単身者が絡む不倫と異なり、それぞれの夫婦の事情が交錯するため、解決の方法も複雑になります。さらに、自分の配偶者にバレないように示談交渉を進めたいとなれば、効果的な対策が必要になります。

この記事では、ダブル不倫(W不倫)で慰謝料が請求された場合の慰謝料の相場や減額の交渉方法を明らかにしながら、配偶者に不倫がバレないように示談交渉を進める方法を解説していきます。

ダブル不倫は被害者が何人いるかで状況が大きく変わる

ダブル不倫(W不倫)による慰謝料請求では、二組の夫婦が関わってくるため、状況が輻輳してしまい複雑な展開になることがあります。ここでは、それぞれの事情ごとに、状況がどのようになるのかを解説していきましょう。

被害者が1人の場合

ダブル不倫(W不倫)では、どちらか一方の配偶者が不倫に気づいて、慰謝料を請求してくることがあります。解決に至るまで自分の配偶者が不倫に気づかなかった場合や、既に夫婦関係が破綻していて配偶者が相手方に慰謝料を請求する意思がない場合は、被害者が1人の不倫問題として推移します。

被害者が1人の場合は、不倫相手の配偶者から慰謝料が請求されることになります。また、こちらからは窺い知れないところですが、不倫相手が不倫を理由に離婚する場合は、通常、夫婦間で慰謝料問題が発生します。

被害者が2人の場合

ダブル不倫(W不倫)で、双方の配偶者が慰謝料を請求するケースでは、被害者が2人の不倫問題になります。この場合、それぞれの夫婦の選択によって、次の4パターンが想定できます。

  1. 双方の夫婦ともに離婚をする
  2. 双方の夫婦ともに婚姻を継続する
  3. 相手方の夫婦のみが離婚する
  4. 自分の夫婦のみが離婚する

それぞれどのような状況になるのかみていきましょう。

双方の夫婦ともに離婚するとき

双方の夫婦ともに離婚を選択した場合、相手方の配偶者から慰謝料が請求されることになります。またそれぞれの夫婦共に自分の配偶者からも慰謝料を請求されると想定できます。

双方の夫婦ともに婚姻関係を継続するとき

双方ともに婚姻を継続する場合、夫婦間に慰謝料問題は発生しない可能性があります。被害者は配偶者の不倫相手に慰謝料を請求する権利を有していますが、それぞれが慰謝料を請求すると相殺されることから、基本的に慰謝料の請求は行われないケースが多いです。

相手方の夫婦のみが離婚するとき

自分の夫婦は婚姻を継続するが、不倫相手の夫婦が離婚することになった場合、不倫相手の配偶者から慰謝料を請求されることがあります。一方で、自分の配偶者も不倫相手に対して慰謝料の請求をすることができます。

この場合、一般的に夫婦関係が破綻した場合の慰謝料の方が高額になるので、世帯単位で考えると、それぞれの慰謝料請求額の差額分が実質的な支出になるでしょう。

自分の夫婦のみが離婚するとき

自分の夫婦は離婚するが、相手方の夫婦は婚姻を継続する場合であっても、相手方の配偶者が慰謝料を請求してくることがあります。

また自分の配偶者からも慰謝料を請求されると想定できます。

ダブル不倫で被害者が不倫相手の配偶者に不倫をバラすのを阻止するには

ダブル不倫(W不倫)が発覚すると、不倫相手の配偶者(被害者)から慰謝料を請求される流れになるのが一般的です。その際に、被害者が自分の配偶者に不倫の事実を告げようとする動きを見せた場合、どのように対処をすればいいのでしょうか。ここでは、被害者が不倫の事実を自分の配偶者にバラすのを阻止する方法について解説をします。

バラすことを100%阻止することは困難

結論から言えば、不倫の事実を自分の配偶者にばれないようにすることは困難だと言わざるを得ません。たとえ被害者が口外しないと約束をしたとしても、いわば掌に蓄えた水のように、どこからともなく漏れてしまうものなのです。その点をわきまえたうえで、不倫の事実を配偶者にバラされないよう尽力することになります。

不倫を第三者にバラすのは不法

被害者だからといって、不倫の事実を加害者の職場や友人にバラすことは、「名誉棄損行為」に該当する可能性があるため、場合によっては、反対に損害賠償請求をすることも可能になります。

また、たとえ加害者の配偶者であっても、法的には第三者となるため、不用意に不倫の事実をバラせば、プライバシーの侵害として訴えられる可能性があります。

一方で、直截に不倫の事実を告げなくても、内容証明郵便が弁護士事務所名入りの封筒で自宅に届いたり、頻繁に電話がかかってきたりすることで、間接的に事実を知られてしまうことがあります。この場合は、不法行為にはなりませんから、合法的に加害者の配偶者に不倫を知らせる手立てはいくらでも存在するのです。

バレずに解決できる方法

それでも、被害者が自分の配偶者に不倫の事実をバラすのを阻止するためには、被害者に口外しないよう約束してもらうしか手立てはありません。単なる口約束では不安な場合は、示談書の中で「不倫の事実を第三者に口外しない」といった文書を盛り込むという方法があります。

口外を禁止する約束は、配偶者に知られたくないと希望する側だけでなく、被害者側も自分の配偶者が不倫したことを公にしたくないと望む場合もあり、双方のメリットとして受け入れられるケースも多くあります。

また、示談交渉が揉めて長期化すると、配偶者に知られるリスクが高まります。示談交渉を早期に解決させ、穏便な解決を図ることを一番の目的とする場合には、加害者側から相場を超える慰謝料額や「接触禁止」「違反金の支払い」などの付帯条件を提示することで、解決を早めることができる場合もあります。

ダブル不倫の慰謝料相場と慰謝料額に影響する要因

ダブル不倫(W不倫)が発覚して、慰謝料を請求された場合の相場と慰謝料額に影響を及ぼす要因についてみていきましょう。

慰謝料の相場は50万円~300万円

ダブル不倫(W不倫)が発覚した場合の慰謝料の相場は、相手方の夫婦が離婚するのか継続するのかによって異なってきます。相手方の婚姻が継続する場合の慰謝料の相場は、50万円~100万円です。

また、相手の方の夫婦が離婚する場合の相場は、100万円~300万円です。

慰謝料に影響する要因とは

不倫の慰謝料額は、一律に決まるものではありません。請求額を決めるために、次のような要因を考慮します。

  • 婚姻期間の長さ……婚姻期間の長い夫婦が不倫によって離婚に至った場合、慰謝料が高額となる傾向があります。
  • 子供の有無……被害者の夫婦間に子供がいる場合、慰謝料が高額となる傾向があります。特に幼少の子供がいる場合は高額になります。
  • 不倫当事者間における子供の有無……不倫した当事者の間に子供がいる場合、悪質性が高いとして慰謝料が高額となる傾向があります。
  • 不倫当事者が同棲していた……不倫した当事者が同棲していた場合、悪質性が高いとして慰謝料が高額となる傾向があります。
  • 加害者の年齢や社会的地位……加害者の年齢や社会的地位が高い場合、慰謝料が高額となる傾向があります。
  • 不倫をしていた期間……数回の逢瀬であれば、慰謝料が極端に高く請求されることは、あまりありませんが、不倫の期間が数年以上に及ぶ場合は、慰謝料が高額となる傾向があります。

ダブル不倫の慰謝料を請求されてから解決までの流れ

ダブル不倫(W不倫)が発覚して、被害者から慰謝料を請求された場合、解決するまでどのような流れを辿るのかを追っていきましょう。

内容証明郵便が送付されてくる

慰謝料請求は、内容証明郵便で送付されてくるのが一般的です。請求人が弁護士に依頼した場合は、弁護士事務所名が記載された封筒で送られてきます。自宅が留守がちで郵便物の受け取りが困難な場合は、職場に送られてくることもあります。

慰謝料請求に対する方針を決める

被害者が、どこまで事実関係を掴んでいるのかを文面から推察します。もし証拠もないまま状況判断のみで請求している様子が窺えるのであれば、裁判を視野に入れて争う姿勢で臨みます。

また、不倫相手が独身であると騙ったり、夫婦関係が破綻していると告げていたりした場合であれば、不法行為ではないとして、全面的に反論をすることができます。

しかし、慰謝料請求の文面が、事実関係をしっかりと把握しているような内容であれば、その事実を素直に認めたうえで、慰謝料の金額や支払い方法を交渉する流れになります。

回答書の作成は法律の専門家にサポートをしてもらう

慰謝料請求に対する方針を固めたら、回答書を作成して内容証明郵便で送付します。

ただし回答書は、今後を左右する重要な書面です。独自の判断で、相手の主張を丸呑みしたり、反対に全面的に拒否をしたりすると、その先不利な展開になることがあります。

回答書の作成に際しては、不倫問題の対応に慣れた法律の専門家のサポートを受けた方が、解決への道筋が見えてきます。

合意すれば示談書を作成して解決をする

被害者が加害者の回答に納得しない場合は、折り合いがつくまで示談交渉は継続するでしょう。双方が主張を繰り返し、折り合える点を探ります。いずれの場合も主導権は、被害者側にありますから、加害者の希望を通すことは、容易ではありません。被害者の要求が相場を大きく超えるもので、受け入れがたい場合には、裁判も視野に入れた態度で示談交渉に臨む必要があります。

示談交渉がまとまれば、示談書を作成して決着します。示談書の作成に際しては、万全を期すという意味で、弁護士に依頼した方がいいでしょう。

示談ができなければ裁判になる可能性がある

不倫が事実であり、その証拠もきちんと揃えられているのであれば、争点は慰謝料の妥当性と支払方法に絞られます。この場合、多くは示談によって決着がつけられますが、どうしても折り合いがつかない場合は、被害者側が裁判による決着を図ることを希望することになります。

ただし、裁判が開始された後も、和解による解決方法があります。和解が成立しない場合は、最終的に判決に従うことになります。

 

慰謝料減額のためにできること

ダブル不倫(W不倫)が発覚して、被害者から慰謝料請求があった場合、一定の支払いはやむを得ないとしても、請求額が高額な点が納得できないとしたら、どうすればいいのでしょうか。ここでは、慰謝料を減額するためにできることは何かを探っていきましょう。

職場での立場が弱いのでどうしても不倫の誘いを拒めなかった

会社の上司や取引先の役員から、肉体関係を迫られた場合、単に道徳心だけで拒めないことがあります。この先も、同じ会社で働き続けたいと考えるのであれば、よけいに拒絶が困難になります。

このような状況を被害者に理解してもらうことで、慰謝料の請求を減額してもらえる可能性があります。

請求された慰謝料を支払える資産がない

社会人経験が浅いために、ほとんど貯蓄がないといった状況であり、親族もお金に窮しているような状況であれば、その実情を真摯に相手に説明することで、慰謝料の請求を減額もしくは支払い方法を分割にしてもらえることがあります。

強い反省の意を相手に示す

慰謝料の請求額は、相場をにらみながら決めていきますが、被害者意識が強い場合は、どうしても高額の請求になる傾向があります。慰謝料は、被害者の傷ついた心を癒すための代償だと考えた場合、被害者の感情を和らげることで、慰謝料の減額が望めることがあります。

そのためには、不倫について深く反省しているという姿勢を見せるとともに、被害者に対して心より謝罪をすることから、被害者側の譲歩受けられるケースも多くあります。

おわりに

ダブル不倫(W不倫)は、それぞれの夫婦の事情が交錯するため、容易に解決への道を進むことができません。

それぞれの夫婦が婚姻を継続するか否かよって、慰謝料額や交渉内容が変わってくるで、慰謝料請求に対する対応や回答内容も慎重に検討する必要があります。

また配偶者に不倫の事実をバラされないようにするために、被害者に対して、不倫の事実を口外しない約束を得る必要もあるかもしれません。

不倫の慰謝料問題で必要となる回答書や示談書は、慰謝料請求を解決するうえで、重要な役割を果たすことになりますから、専門的知識もなく作成することは大変危険ですので、厳に避けましょう。弁護士に相談することで、解決への道に繋がります。

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タグ : ダブル不倫
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