妻の友人との不倫がバレた…通常の慰謝料より高くなることはある？

公開日：2020.03.21  最終更新日：2023.12.27  不倫の慰謝料

この記事のポイント

✔︎慰謝料の金額は不倫をされた妻がどの程度精神的苦痛を受けたかにより決まる

✔︎妻の友人との不倫だからといって必ず高額の慰謝料を支払うべきということではない

✔︎妻の友人との不倫は感情的なもつれにより解決が困難となるリスクが高い

---

夫が妻の友人と不倫するケースは意外と多くあります。特に、妻から女友達を紹介された場合には家族ぐるみで接点を持つ機会が多いため、お互いに異性としての魅力を感じていたとすれば友人関係から不倫関係に至ることは珍しいことではないのです。

とはいえ、不倫がバレてしまった場合には、妻から慰謝料請求を受けることが当然に想定されます。そこで、この記事では妻の友人との不倫が妻にバレてしまった場合の慰謝料の算定方法や気を付けるべき点について説明します。

妻の友人と不倫していたことが妻にバレた場合、普通の不倫より解決が難しくなることが一般的です。これは、妻自身が強いショックを感じ感情的になる可能性が高いからです。そこで、妻の友人との不倫がバレた場合の対処方法についてのポイントをよく確認した上で、慎重に対応しましょう。

不倫相手と被害者の関係性で慰謝料が変わることはある？

不倫相手が妻の友人や親類など妻との関係性が近い相手であった場合、このことが慰謝料額に影響することはあるのでしょうか。不倫慰謝料の金額の算定方法とあわせて説明します。

 

不倫慰謝料の算定方法

法律上、不倫をされた配偶者の一方は不倫をした配偶者と不倫相手に対して、不倫によって受けた精神的苦痛に相当する慰謝料を請求できることになっています。

したがって、不倫慰謝料の金額については不倫をされた配偶者がどの程度精神的苦痛を受けたかということが重要になります。

慰謝料の算定方法について法律で決まっているわけではないのですが、古くから多くの裁判例の蓄積があります。このような過去の裁判例を分析することによって、ある程度不倫慰謝料の算定方法がみえてきます。

不倫慰謝料の算定の際に重視される要素としては、もともとの夫婦間の関係性、不倫関係が始まった経緯、不倫関係によって夫婦関係がどのように変化したか等です。

不倫相手が妻の友人であった場合、これによって妻がどの程度精神的苦痛を受けるかはケースバイケースです。妻にとっては、夫が知らない相手と不倫をしている場合と苦痛を感じる程度が大差ないということもゼロではないためです。

したがって、夫の不倫相手が妻の友人であるというだけで、夫が妻に支払う慰謝料の金額が絶対に増えるとはいえません。

ただし、例えば妻の友人と不倫をしたことによって妻が友人関係を失って仕事を辞めざるを得なくなったとか、うつ病を発症したなど、妻の友人との不倫により妻に現実的な悪影響を及ぼしたような場合には慰謝料の金額が増加することもあります。

慰謝料が高額になる要因とは

不倫慰謝料の算定においては、さまざまな事情が考慮されます。その中でも不倫をした配偶者が支払う慰謝料が高額になりやすい事情として次のようなものがあります。

・不倫をした配偶者が積極的に不倫相手にアプローチした

・不倫をした配偶者が不倫相手に対して妻子があることを告げなかった

・不倫をした配偶者が不倫相手に対して妻と離婚する予定であると告げていた

・不倫相手との間に子どもができた

・不倫相手との関係が長期間にわたり、会っていた回数も多い

・不倫の発覚により夫婦が離婚に至った

・何度も不倫をやめるよう言われたのに関係を継続した

要するに、不倫をされた妻の側から見て不倫をした夫の裏切りの程度が大きいと感じられるケースや、不倫により夫婦関係に与えた影響が大きいケースでは不倫をした夫が妻に支払う慰謝料の金額が増えることがあります。

なお、不倫慰謝料の算定においては不倫をした配偶者の財産や社会的地位によって増減することがあります。例えば、不倫をした夫が有名な会社の経営者であるなど社会的地位を有する場合には、夫が支払うべき不倫慰謝料が高額となる傾向にあります。

本来、不倫をした夫の社会的地位と不倫によって妻が受ける精神的苦痛との間には因果関係がないため慰謝料の金額に影響することは合理的とはいえません。このため、裁判となった場合には、夫の社会的地位が高いからといって必ずしも高額の慰謝料支払いを命じられるとは限りません。

ただ、示談交渉の場合には、不倫をした夫の社会的地位が高いほど高額の慰謝料の支払いを求められやすいという現実があります。これは、不倫をした夫の社会的地位が高いほど支払能力が高いことが多いので、高額の慰謝料の支払いを課さないとペナルティにならないと妻の側が考えるせいもあります。

実際にも不倫をした側の社会的地位が高い場合には、裁判などで不倫の事実が表沙汰になることを回避したいという意向が働きやすいので、高額の慰謝料請求に応じてでも示談交渉のみで解決しようとしがちです。このため、示談交渉で解決する場合には特に慰謝料が高額なものとなりやすい点に注意する必要があります。

妻の友人との不倫がバレることで考えられるリスク

不倫関係がバレた場合には当然リスクがありますが、特に妻の友人との不倫であった場合にはより大きなリスクがあります。ここでは、妻の友人との不倫関係が妻にバレてしまった場合に考えられるリスクについて説明します。

 

妻が感情的になり解決が困難になる

夫の不倫相手が妻の友人であるとバレた場合、当然ながら妻としては夫と友人の両方から裏切られたことになるため強いショックを受けることが通常です。

妻が不倫関係の発覚により感情的になる結果、高額の慰謝料請求をされるだけでなく最悪の場合には離婚を求められる可能性も否定できません。仮に離婚に至らなかったとしても、解決までには長い時間を要することを覚悟する必要はあるでしょう。

 

友人関係を失う可能性

夫が不倫相手を含めて家族ぐるみで付き合いがあった場合、不倫関係が周囲にバレれば夫は自分自身の友人関係をも失うおそれがあります。

仮に夫婦が地元の同級生同士であったような場合に夫が妻の友人と不倫をしたことがバレれれば、その地域のコミュニティの中で孤立し地元にいづらくなる可能性もあります。

ずっと地元で仕事をしているような場合には、地元のコミュニティで孤立すると仕事を辞めざるを得ない状況に追い込まれることもあります。

妻の友人との不倫で慰謝料請求された場合の対処法

妻の友人との不倫がバレてしまい妻から慰謝料請求された場合には、通常の不倫と比較して解決が難しくなる可能性が高いといえます。したがって、穏便に解決することを望む場合には慎重な対処が求められます。

特に自分の友人と不倫された妻の側は、夫に対して強い不信感を抱いている可能性が高いです。このため、妻の感情を逆なでしないように夫としては喧嘩腰にならないように対応しましょう。

そして、あまりに妻から請求される慰謝料の金額が高額であると感じる場合には、過去の裁判例などの事例をもとに妥当な慰謝料の金額に落とすよう交渉するべきでしょう。

このような場合には、不倫慰謝料に詳しい行政書士などの専門家に相談して、慰謝料の相場を理解した上で示談交渉にのぞむことをおすすめします。

おわりに

妻の友人との不倫がバレてしまった場合には妻が感情的になることにより高額の慰謝料請求を受ける可能性があります。このような場合に慌てて対応すると本来の相場より不利な条件での示談となるおそれがあります。また夫の側も焦りから感情的になって解決を難しくしてしまうこともあります。

このため、妻の友人との不倫がバレてしまった場合には早急に法律の専門家である弁護士に相談をすることをおすすめします。

この記事に関するご質問や不倫による慰謝料請求に関するお悩みがある場合には、ぜひ当事務所の無料相談窓口にご相談ください。

タグ : 不倫