飲み会に参加したことで慰謝料請求!?…慰謝料は支払わないといけない?

公開日:2020.05.23  不倫の慰謝料

飲み会の参加は不倫?

この記事のポイント
  • 飲み会に参加しただけでは法的に慰謝料の支払い義務があるということにはならない。
  • 慰謝料を請求されたら、まずは性的関係はないことを説明し、誤解を解くことが重要。

飲み会に参加したことが原因で自分や第三者の配偶者から不倫(浮気)をしたと誤解され、慰謝料を請求されるまでに発展してしまったケースは実際にあります。

友人関係の集まりや会社の飲み会など、複数の男女が集い、夜遅くまで、あるいは朝まで飲み明かすことは珍しいことではありません。しかし、あなたや参加者の誰かの配偶者が、もともと不倫の疑いを持ち、行動を調査をしていた場合、たまたま飲み会で遅くまで一緒に過ごしていた人物を不倫相手であると誤解し、慰謝料を請求するという事例は少なくないのです。

ただし、ただ単に飲み会で既婚者と一緒に飲んでいただけでは、法的に慰謝料を支払う義務は生じません。

この記事では、不倫を原因とした慰謝料問題について、どのような状況の場合に慰謝料の支払いが必要なのかや、誤解により慰謝料の請求を受けた場合の対処法を具体的に解説していきます。

 

飲み会に参加することは不倫(浮気)なのか?

まず、不倫や浮気というのは一般的にもよく聞く言葉ですが、実はこれらの言葉には明確な定義がありません。

例えば「異性と食事に行ったら浮気だ!」というような主張は、一個人の解釈や価値観によって発せられるもののため、厳密には間違いであるとも正解であるとも言えないのです。

しかし、法的に慰謝料の請求が認められるような状況なのかを考えた場合は、「不倫・浮気なのか?」ではなく、「不貞行為があるのか?」ということが一つの基準になります。

「不貞行為」とは、定義が曖昧な「不倫」や「浮気」とは異なり、配偶者を持つ者が他の異性と肉体関係を持つことであるという定義があります。

つまり、不貞行為、すなわち異性との肉体関係が無ければ、単に飲み会に参加したというだけで慰謝料の支払いをする必要はないということになるのです。

肉体関係とは異性と性行為を指す

不貞行為の解説で触れた、肉体関係とは具体的にどのようなことなのでしょうか?不貞行為を定義する際の肉体関係とは、異性との性行為を指し、更に厳密には挿入行為を示します。補足ですが、ペッティングなど行為は性交類似行為として、不貞行為ではないと見ることもできますが、そのような行為があると考えられる状況では不貞行為があるとみなされる可能性が高いと言えます。

キスやハグは不貞行為ではない

それでは、キスやハグなどの行為はどうなのかと言うと、これらは不貞行為には当たりません。そのような行為によって精神的苦痛を与えたとして慰謝料請求をされる可能性はゼロとは言えませんが、稀であるということと、仮に慰謝料を支払うことが認められたとしても、不貞行為がある場合に比べて極めて少額になる傾向にあります。

但し、実際にはキスやハグをするだけの関係であったとしても、LINEなどで互いの好意を伝えあっているなどの状況では、不貞行為があるのではないかと疑われる可能性もあるため、不貞行為はないという証明をすることが必要なケースも出てきます。

飲み会に参加することは不貞行為ではない

当然ですが、飲み会に参加していたというだけでは不貞行為には該当しません。

不貞行為というのは肉体関係の有無が基準になりますので、例え、飲み会が日をまたいでいたり、先述の通り、参加していた相手が日頃から親密なやり取りをしている人だったとしても、お酒の席に同席していただけで慰謝料の請求が認められるような法的根拠が存在するとは言えません。

飲み会に参加しただけで慰謝料請求をされたときの対処法とは?

弁護士事務所からの書面が届くなど、具体的に慰謝料の請求を受けた場合は注意が必要です。特に、無視をすることは避けましょう。相手方の意思が強い場合にはそれが例え誤解であったとしても、適切な対応を取らないと裁判へと発展してしまう可能性もあるためです。不倫の事実は無いのだから、証拠はあるはずが無いと考えられる状況だったとしても、事実と客観的な情報は異なります。可能性だけ挙げれば、相手方が泥酔して当日の記憶を無くしており、配偶者から追及された際に肉体関係があった可能性を否定できずにいる可能性もあります。そのような場合、請求を受けた際に初動で無視をすることによって、不倫の事実を暗に認めていると捉えられ、事態が悪化する可能性があります。何よりも重要なのは、不貞行為が無いという事実を伝え、明確に否定をしておくことです。

裁判のリスクを回避するため、無視をすることは避ける

本来、飲み会などに参加していただけで不貞行為の慰謝料を請求され裁判などに発展してしまうことは無いと考えられますが、相手方が誤解をして不貞行為があるのだと思い込んでしまっている可能性もあります。裁判に発展してしまう最大のリスクとなり得るのが、相手方から慰謝料の請求を受けた際に無視をしてしまうことです。無視をしたことにより、相手方が「否定をしないのは不貞行為があるからだ」と考える可能性もゼロではありません。

裁判となれば慰謝料の支払いが無くとも多くの労力を要する

裁判に発展したとしても飲み会に参加していただけで慰謝料の支払いが命じられるなどということはありませんが、それでも、裁判に発展してしまえば、結果的に慰謝料の請求が認められなかったとしても、弁護士費用や、自身で裁判に出席する場合には時間や精神的な負担を労することになります。

とはいえ、無視をせず対応を取っていれば基本的にはこのリスクは回避することができるため、落ち着いて対応することが大切です。

慰謝料を請求された際の具体的な対応方法

不倫の事実が無いと証明するものを用意し、提示することが有効であることは先述しましたが、具体的な対応としてはどのようにすれば良いのでしょうか?

まず、相手方からの請求が弁護士事務所などを介して書面で請求している場合であっても、相手方が個人で電話により請求してきているような場合であっても、こちらからの提示、主張は形として残る書面、もしくは相手方の住所がわからない場合にはLINE、メールなどが望ましいでしょう。

また、書面で回答を送る場合は、内容証明郵便を利用するなど、書面を送った事実(内容も含めて)を証明できる形で送付することもおすすめします。相手方に対して事実や経緯を説明した上で、証拠物の提示を求めることも有効です。

とにかく、相手方の請求に対しては面倒であっても無視をせず、真実を丁寧に説明し、誤解を解く努力を行うことが最大のリスク回避につながります。

飲み会の参加による不倫(浮気)の疑いを晴らす方法とは?

飲み会の参加によって不倫や浮気を疑われた場合には、当日の状況を時系列で説明するほか、肉体関係の事実は無いことを証明するものを提示することが望ましいでしょう。

肉体関係の事実が無いことを証明するものの例としては以下のようなものが挙げられます。

  • 居酒屋など、滞在していた店舗の支払履歴(レシート、キャッシュレスの使用履歴など)
  • 移動履歴(タクシーの領収書、交通系ICカードの履歴など)
  • 当日の第三者との連絡履歴(LINEや通話履歴など)
  • 当日以外の第三者との連絡履歴(飲み会の出席確認のLINEなど)
  • 写真や動画(飲み会の様子を撮影したものなど)
  • スマホアプリの移動履歴(グーグルマップのロケーション履歴など)

上記の証明については、相手方と親密なやり取りはしていた経緯があるが、不貞行為が無いことを証明する手段ともなります。但し、一般的には不倫の証明は慰謝料の請求者側が提示をする必要があることを覚えておきましょう。穏便かつ迅速に解決をしたい場合には、こちらで不倫の事実が無い証明をすることも一つの手段だということを理解しておきましょう。

まとめ

この記事では、飲み会に参加しただけなのに不倫を疑われ、実際に慰謝料請求を受けている状況にある場合、どのように考え、対応していくことが望ましいのか解説しました。不倫の慰謝料請求には不貞行為の事実があるという法的な根拠が必要になります。当然、飲み会に参加していただけでは不貞行為には該当しないため、基本的には慰謝料の支払いをする必要は無く、相手方が執拗に追及してくる場合であっても、不貞行為の事実が無いということを明確に説明することで対処ができることがほとんどですので、慌てずに適切な対応を心がけましょう。

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