不倫がバレて離婚。不倫した側でも親権を獲得できる?

公開日:2020.05.23  不倫の慰謝料 , その他

不倫がバレて離婚。不倫した側でも親権を獲得できる?

この記事のポイント
  • 不倫をした場合でも親権は獲得することができる
  • 不倫の有無自体が親権獲得に及ぼす影響は小さく、婚姻時の状況等から子供のために不利益の無い環境が用意できるかが重要視される

不倫をしてしまったことで、親権を獲得する上で不利になるのではないかと考えてしまう方も多いかと思いますが、実は、不倫と親権の問題は切り離して判断される側面があります。つまり、不倫をしたとしても親権を獲得できる可能性は十分にあるのです。

この記事では、不倫をしてしまったことは親権を主張する上でマイナスに捉えられたり、不利になることはあるのかなどを解説するとともに、親権を獲得するために重要な対応や対処方法を記載していきます。

不倫をした場合に親権は獲得できないのか?

「不倫をしたから親権は獲得できない」ということを聞いたことある方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、これは全くの誤解です。

「不倫をした=親権が獲得できなくなる」ということではなく、親権は夫と妻、どちらが持つべきかを考える上での一要素として不倫の事実が考慮されるに過ぎないということを、まずもって知っておきましょう。

不倫をした事実があっても親権を獲得する上で不利になるとは限らない

とは言っても、「不倫をしたという事実がマイナスに捉えられることには違いないのではないか?」と考える方もいらっしゃるでしょう。

不倫が理由となって離婚した場合、多くのケースでは慰謝料を支払うことが相当と判断されるなど、一見すると不倫をした事実は大きくマイナスになり、親権獲得をする上でも不利な立場になりそうではあります。

しかし、そもそも親権を夫と妻のどちらが獲得するかは、子供の利益や将来を考えて判断されるべきものです。夫か妻のどちらかが不倫をしたことは夫婦間の問題であり、子供の立場からすれば関係がないと言えるケースが山程あります。極端な例を挙げれば、育児には全く非協力的であった親と、不倫をしてはいたが子供には時間を取り愛情を持って接していた親とを比べた場合、後者の方が親権を持つに相応しいと判断されやすいでしょう。

不倫をしていた事実が子供にどういう影響を与えるかを考える

もちろん、不倫をしていたことが親権を主張する上で無関係になるということではありません。具体的な例になりますが、不倫相手との逢瀬を優先して子供の授業参観などに参加しなかった、まだ小さい子供を家に一人きりにすることが多かった、などの事実があれば、子供の今後の養育に支障をきたす可能性があるとして、親権獲得において不利になることも考えられます。反面、前述の通り、不倫してはいたものの子供にとっては良き親だったとなれば、不倫をしていても親権獲得において不利になるとは言いにくくなります。不倫の事実だけではなく、不倫をしていた状況が子供に対してどう影響を与えていたのか、その点から今後の子供の養育について問題が無いと言えるのか、といった点が重要視されます

子供の親権を獲得する上で重要なことは何か?

不倫をしたからといって、子供の親権獲得において必ずしも不利になるわけではないことは先述しました。それでは、子供の親権がどちらに相応しいかについては具体的にどのような点で判断するのでしょうか?夫婦間の話し合いによって親権を決められるのであれば問題ありませんが、どちらも親権を強く主張して法的な争いになるケースもあります。ここでは、そのような状況になった際、子供の親権を獲得する上で知っておくべき考え方を解説していきます。

親権決定における4つの原則を理解することが重要

子供の親権を決める際には以下の4つの原則を重視して決められることが一般的とされています。

  1. 現状維持の原則
  2. 子の意思の尊重の原則
  3. 兄弟不分離の原則
  4. 母親優先の原則

ここでは、上記の4つの原則がどのようなものを知ることによって、親権を獲得する上で何が重要なのかを抑えていきましょう。

現状維持の原則

現状を維持させることは子供のためになると考えられているため、親権の判断をする際には重要な要素になります。

例えば、学校に通っている子供が転校しないことで友人関係は継続できる、という考え方ができます。この一事だけを見れば、離婚後の居住地が、現状の子供の居住地と遠く離れてしまう場合には親権獲得において不利になると考えることができます。また、現状で夫婦が別居状態にある場合には、子供がどちらの親と一緒に生活しているかは重要な判断要素になります。なお、その生活状況が長く続いているほど、子供の現状を優先すべきと考えられます。子供の生活状況を極力変えないようにするために、親族のサポートを受けて養育する計画を示すなどの対応をすることは、この原則の観点からも望ましいことと言えます。また、不倫相手と離婚後に一緒になろうとしている場合などには、子供の生活状況が変わって不利益を与えないかなど、注意するべきでしょう。

子の意思の尊重の原則

自分で意思決定ができるくらいの年齢に達している子供の親権を考える場合、子供の意思は第一に考えられると言っても過言ではありません。

基本的には、10歳以上の子供の意思は尊重されやすく、判断が十分にできるであろうという観点から、子供の年齢が上がるにつれて意思が尊重されやすくなる傾向にあります。不倫をしている親だとしても、その親と暮らすことを子供は望んでいるなどであれば、子の意思が尊重される可能性は高いと言えます。但し、子供の言い分が全て通るというわけではなく、周囲の人間の影響に左右された発言でないかなどが判断され、就学前の幼い子供の場合は親権がどちらにあった方が望ましいかという合理的な判断が難しいことなどから、意思はあまり考慮されない場合もあることは覚えておきましょう。

兄弟不分離の原則

これは読んで字の如く、子供が複数いる場合はそれぞれの親権を分けるべきではないという考え方になります。

よくドラマなどで子供たちの親権が別れて離れ離れになってしまうようなシーンがありますが、現実にはそのようにならないようにすべきだと考えられています。もちろん、これも絶対の原則ではなく、例えばどちらも子供が15歳以上であり、長女は母親方を望んでおり、長男は父親方を望んでいるなど、子の意思の方が尊重される等の可能性はあります。

母親優先の原則

親権の争いにおいては母親が有利であるという話を聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?

実際にも、この原則の通り、親権においては母親が持つべきであるという風潮が根強くあります。他の原則に当てはまらないような場合(子供が幼く、意思決定ができない場合など)にはより顕著です。特に、子供が乳幼児であるような場合には授乳などの関係から、母親が子供を養育するべきであると考えられやすくなります。但し、母親が親権を持つことがそのまま子供の利益につながるとは言えないのではないかという懐疑的な考え方もあることから、他の要素とも考えて判断されることになります。

経済的な事情は親権獲得において加味されにくい

まず言えることとして、離婚後の経済状況、というのは一見すると子供の利益に大きく関わるように思えますが、実のところあまり影響はありません。

例えば、母親が専業主婦だった場合においても、母親は離婚後の収入源が無いから、親権は父親がもつべき、という単純な判断にはなりません。なぜなら、離婚した夫婦の間に経済格差が仮にあるとしても、どちらの親が親権を持ったかによって子供に経済的な不利益が生じてはいけないという考え方のもとに、養育費があるからです。そのため、就業をしていないことなど、経済的な事情を理由に親権獲得で不利になることは基本的にありません。むしろ、就業している親の方が、仕事をしながら子供の養育をどうするのか?という根本的な問題を突きつけられることから、親族のサポートを受けるなどの具体的な対応策を示す必要が出てきます。

おわりに

ここまで、不倫が親権に与える影響や、親権獲得の際に重要視されやすい要素を述べてきましたが、大原則として重要なのは、「子供のために」と考えることです。ともすれば、親権争いは親族間までをも巻き込んでの紛争に発展することもあります。そこで、親権獲得のためにと言って表面だけ取り繕おうとする人も多くいるのです。本来、子供の立場も踏まえて、子供のために、と真に考えて行動しているのであれば、例えば不倫の事実があったとしても、それ自体は親権獲得に大きく影響しません。親権は子供のための権利であることを理解しておきましょう。ご相談が必要な場合には法律の専門家である弁護士の無料相談をぜひ利用しましょう。

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タグ : 不倫
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