セックスレスが原因なら不倫は許される?定義や慰謝料について解説

公開日:2020.05.28  不倫の慰謝料

セックスレスが原因なら不倫は許される?この記事のポイント
  • セックスレスとは、病気などの特別な事情がないのに、1カ月以上合意による性交渉がない状態をいう
  • 不倫を理由に慰謝料を支払う義務があるとされた場合にあっても、配偶者から性行為を拒絶されていたのであれば、減額の要因となり得る

夫婦が長い期間セックスレスだと、不倫をしてしまう可能性が高くなります。でも、この不倫を理由に離婚請求や慰謝料請求をされたら応じる義務はあるのでしょうか。この記事では、不倫の原因が、そもそも夫婦間のセックスレスであるとき、慰謝料請求に対してどのように対応すればいいのかについて解説をします。

セックスレスの定義とは?

日本性科学会では、セックスレスについて、「病気などの特別な事情がないのに、1カ月以上合意による性交渉がないカップル」と定義付けしています。それでは、セックスレスは離婚の事由となるのでしょうか。

セックスレスは離婚の事由となり得る

民法770条では、離婚の事由になる得る要件のひとつに「婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」を示しています。特別な理由がないのにもかかわらず、一方的に性行為を拒絶するケースは、この要件に該当します。ただし、高齢者になったり、病気になったりしたことが原因で性交渉ができない場合や若くて健康的であってもお互いの合意で性交渉を望まないケースでのセックスレスは、離婚要件には該当しません。

セックスレスが原因で不倫した場合は許される?

セックスレスが原因で不倫をして、それを配偶者から咎められた場合、どのように対応すればいいのでしょうか。実は、同じセックスレスであっても、どちらが性行為を拒絶していたのかによって、その後の対応は大きく変わってくるのです。そのあたりの事情をみていきましょう。

配偶者の拒絶によるセックスレスで不倫

定期的に配偶者に性行為を働きかけていたのにもかかわらず、一方的に拒絶されていた場合、これを理由に離婚請求をすることが可能です。ところが、離婚請求をすることなく不倫をしてしまうと、反対に、配偶者から咎められ、逆に配偶者から離婚を請求される可能性があります。

そのような場合、配偶者以外と肉体関係を持つことも、法律で定められる離婚事由に該当するため、セックスレスを言い訳に不倫が正当化されることはありません。

ただし、慰謝料の問題に発展した場合、もともと相手が原因でセックスレスであった事情は慰謝料の減額要因となり、または、セックスレスの状況が深刻であり、夫婦関係が破綻していたと考えられるような場合には、慰謝料の支払い義務は生じない可能性もあります。

拒否した側が不倫をした場合

配偶者との性行為に関心がなくなり、相手の要求を拒絶してセックスレスになった状況で不倫をしたのであれば、事情は大きく違ってきます。この場合、当然に自身が原因でセックスレスとなり、他の異性と不倫したという事情は悪質性が高く判断される要因となり、法的に離婚が認められる可能性が高くなります。

セックスレスが原因で不倫した場合は離婚を拒否できるのか?

不倫をした原因がセックスレスであるとき、離婚請求に対して応じる義務はあるのでしょうか。ここでは、配偶者に性行為を拒絶されたために不倫をしたケースをみていきましょう。

配偶者がセックスレスの原因だった

セックスレスは、1カ月間合意による性行為がない場合とされていますが、この状態が長期間続くと、いよいよ離婚事由となり得る状況になります。しかし、だからといって、不倫をした事実を正当化することにはなりません。

一方で、不倫をされた配偶者にとっては、不倫を責めることはできますが、性行為を拒絶していたのであれば、不倫の原因がセックスレスにあると見なされてもやむを得ないところです。

こうした状況で、不倫を理由に離婚請求の裁判をすると、有責配偶者から有責配偶者への離婚訴訟と同じ扱いになるため、離婚が認められない可能性が生じます。

しかし、証拠を確保しやすい不倫と異なり、セックスレスが相手の拒絶が原因だという証を示すことはかなり困難です。配偶者の拒絶によるセックスレスが常態化してきたのであれば、拒絶された状況をこまめに日記などに記録しておかないと、セックスレスの主張が認められず、一方的に離婚請求が認められてしまうことがあります。

法律の専門家である弁護士に相談を

一方的に性行為を拒絶される場合、その頃から既に配偶者は愛情を喪失し、離婚を望んでいた可能性があります。つまり、あえて不倫をするような環境づくりをした可能性も否定できないのです。このようなケースでは、準備も整えられていますから、容易に不倫の証拠を掴まれてしまいます。

本来、配偶者から性交渉を拒絶されていたのであれば、離婚請求に応じる義務はありません。しかし、協議や裁判の場においては、セックスレスであったことを証明しないと、一方的に不倫の事実のみが責めの対象となってしまいます。

こうしたケースでは、法律の専門家である弁護士に相談をすることで、どのような証拠を構築すればいいのかといったアドバイスを得ることができます。無防備なまま、協議や裁判に臨めば、相手の思惑どおりの展開になる可能性がありますから、ぜひ弁護士に相談してください。

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セックスレスが原因で不倫した場合も慰謝料を支払わなければいけないのか?

セックスレスが原因で不倫をして、慰謝料を請求されたとき、どのように対応すればいいのかを押さえておきましょう。また、不倫相手が既婚者であり、セックスレスだと聞かされていたのに、慰謝料を請求された場合の対処法についても解説します。

不倫の原因がセックスレスによるものであることを明らかにする

配偶者が性行為を拒絶したことにより、長期間セックスレスの状態が続いていたことから、不倫をしてしまった場合でも、慰謝料請求が認められてしまうことがあります

これは不倫をされた側の精神機ダメージが大きいと認定されたためです。とはいえ、セックスレスの状態に甘んじていたことによる精神的ダメージも少なからず有ります。

一般的に、不倫によって離婚に至った場合、慰謝料の相場は、100万円~300万円とされています。一方で、セックスレスが原因で離婚に至った場合の慰謝料は100万円以下の決着になります。

つまり、不倫をされた側の精神的ダメージの方が大きいとされているものの、セックスレスによる精神的ダメージもあり得るとされているのです。

このため、不倫により離婚で慰謝料を支払う状況になったとしても、セックスレスが原因で不倫に至ったことを明らかにすることで、一定慰謝料を減額させることは可能なのです。

不倫相手がセックスレスだと聞いていた

既婚者であることを知りながら、不倫関係になり、その結果、相手の配偶者から慰謝料を請求されることがあります。しかし、この場合に、不倫相手から「うちの夫婦はセックスレスで何年も性行為をしていない」と聞かされていたらどうなるでしょうか。

この場合、相手の婚姻関係が破綻していたかどうかが大きなポイントとなります。たとえセックスレスであっても、仲の良い夫婦も大勢います。あるいは、配偶者が病気であるためにセックスレスになっていることもあります。

もし、こうした事情でセックスレスだったというのであれば、婚姻関係が破綻していたとは認められづらいでしょう。

しかし、「家庭内別居状態でセックスレスである」と聞かされていたのであれば、不倫相手の婚姻生活は破綻していたと認識したうえでの肉体関係であるため、慰謝料請求に応じる必要はありません。

ただし、不倫相手が、本当にそのような発言をしていたことを証明する必要があります。こうした裏付けがない場合は、慰謝料の支払いを逃れることは難しくなります。

おわりに

セックスレスが原因で不倫をし、その後慰謝料を請求されたときの対処法は、そもそもセックスレスの原因がどちらにあったかによって大きく異なります。

配偶者に長期間性行為を拒絶されていて不倫をした場合、配偶者自身も後ろめたさがあるために、あまり厳しく追及されることはありません。ただし、万が一離婚請求をされた場合に、性行為を拒絶されていたという証拠がないと、対抗することができません。配偶者から性行為を拒絶されることが重なった場合は、日頃から日記や記録を残しておくことが重要です。

しかし、自らの意思で性行為を拒絶したあげくに不倫をした場合は、配偶者の怒りが増幅することになるため、慰謝料請求の金額が、相場の額に加えてセックスレスに対する額を加算されることがあります。

セックスレスに絡んだ離婚請求や慰謝料請求は、問題点が複雑に絡んできます。離婚請求や慰謝料請求をされた際には、ぜひ法律の専門家である弁護士に相談をしてください。

まずはお気軽にご相談ください。

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タグ : 不倫
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