不倫相手の配偶者にバラされた…職場や家族に言いふらされた時の対処法

公開日:2020.05.28  請求されたら , 不倫の慰謝料

この記事のポイント
  • 不倫の事実を他人に広く知らしめると、名誉毀損になるおそれがある
  • 不倫の被害者が名誉毀損になる行為をした場合、慰謝料の減額要因になる
  • 不倫の被害者が職場に不倫の事実を広めたことが原因で退職を余儀なくされた場合、不倫の被害者に対して損害賠償請求ができる

不倫の事実を知った配偶者が、怒りを抑えきれず、不倫相手の職場に乗り込んで、不倫の事実を広めてしまうということは、十分にあり得る話です。しかし、実際にこのような行為をした場合、法律的にはどのように取り扱われるのでしょうか。この記事では、不倫の事実を第三者に広められた場合の対処法について解説します。不倫の事実を広くバラす行為が、法律的にどう取り扱われるのかを理解したうえで対処をすれば、問題の解決に繋がります。

職場や家族に不倫の事実を広めるのは違法ではないの?

不倫相手の配偶者にバラされた…職場や家族に言いふらされた時の対処法

不倫の被害者が、当事者以外の第三者に不倫の事実を広めるという行為は、違法行為になるおそれがあります。こうした行為が、具体的にどの法律に抵触するのかについて解説をしていきましょう。

不倫の被害者が事実を広めれば名誉毀損罪

不倫の被害者が、配偶者の不倫相手の職場に乗り込んで、その事実を広くばらした場合、名誉毀損に問われる可能性があります。

刑法第230条では、名誉毀損の要件を「公然と事実を適示し人の名誉を毀損する」こととしています。刑事上の名誉毀損罪になれば、3年以下の懲役もしくは50万円以下の罰金に処されることがあります。また民事上の名誉毀損として損害賠償を請求されることがあります。

「公然」というのは、不特定多数の人が知り得る状況におくことをいいます。したがって、大声で広く知らしめたり、ビラを撒いたり、インターネットで広めたりといった方法を用いれば、公然と知らしめたことになります。

「事実の適示」とは、それが本当か虚偽かはさておき、検証の対象になる事柄を示すことをいいます。

「人の名誉」とは、自分以外の人物を指しますから、配偶者であっても不倫相手であっても名誉を毀損すれば、名誉毀損の要件になります。

このため、不倫相手の職場に乗り込み「〇〇〇子は不倫をしている」と大声で喧伝したり、自宅周辺の家にポスティングをしたりすると、名誉毀損になる可能性が極めて高いのです。

不倫の被害者が罵倒をすれば侮辱罪

不倫の被害者が、不倫相手に対して、「泥棒猫」「淫乱」「尻軽女」などと罵倒した場合は、侮辱罪になるおそれがあります。

名誉毀損との違いは、事実を適示したか否かによります。上述の発言は、真偽の検証ができない事柄なので、法律上の「事実」とはいえないため、侮辱罪に該当します。

不倫相手が「奥さんにばらす」発言をすれば脅迫罪

不倫相手が、現状の立場に満足できず、離婚させる目的で「奥さんにばらす」と迫ってくることがあります。この場合、脅迫罪になるおそれがあります。

刑法第222条では「生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者」が脅迫罪になるとしています。

この場合、「奥さんにばらす」ことで、名誉に害を与えることを告知して恐怖に陥れているため、脅迫罪に該当するおそれがあるのです。

職場や家族に不倫をバラされた時の対処法

被害者が不倫の事実を職場や家庭にバラす行為に至った場合、さらに行動をエスカレートさせる可能性があります。怒り心頭に発する相手に対して、事態を軟着陸させる対処法を解説していきましょう。

まずは話し合いを進める

たとえ不倫の事実があったとしても、職場の周辺で勤務先名や個人名を書いて不倫の事実をビラで広く知らしめるといった、社会的相当性を逸脱するような行為により平穏な生活を脅かすようなことになれば、不法行為になる可能性があります。

とはいえ、無視をしたり逃避したりすることは絶対に避けましょう。相手方の行動がさらにエスカレートする可能性があるからです。

この場合は、ただちに当事者や代理人と話し合いの準備を進めた方がいいでしょう。また、勤務先には、迷惑をかけたことを謝罪するとともに、今後、法的な解決に向けて進めていくことを報告します。

また相手方に対しては、職場や自宅に広く知らしめる行為が名誉毀損に該当することを指摘したうえで、ただちに第三者に知らしめる行為をやめるよう伝える必要があります。

慰謝料減額の要因になる

被害者が、名誉毀損に該当する行為をした場合、慰謝料を減額する要因となり得ます。このため、相手方が、いつ、どのような行動をしたのかについて、できるだけ具体的に記録をしておくことが重要です。

法律の専門家である弁護士に相談を

不倫相手の配偶者が突然職場に乗り込んできて、大声で不倫の事実を告知されると、相手に対する負い目から、強い態度で止めることはなかなかできません。

しかし、不倫を公然とされることは、不法行為ですから、そのことを理由に相手に損害賠償請求をすることは可能なのです。

ただし、どこまで言えるのか、あるいはどこまで認められるのかといったことは、判断が難しいところです。不倫の事実を広くばらされたことに対する処置の仕方は、加害者と被害者の立場が混在することになるため、とても複雑になります。

こうしたケースでは、法律の専門家である弁護士に相談をし、アドバイスを得ることで、解決への道筋が見えてくることがあります。不倫をしたことを職場や家族にばらされた場合には、問題が泥沼化しないうちに、ただちに弁護士に相談をしてください。

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不倫を広められたことで退職したら相手に法的責任は発生する?

不倫は不法行為であるとはいえ、民事上の争議であるため、本来解雇の事由にはなりません。しかし、現実には、会社内の冷たい視線に耐えきれず、退職に追い込まれることがあります。名誉を毀損されたばかりでなく、経済的にも大きな損失を負った場合、不倫の事実を広めた相手にどのような法的責任が発生するのかについて解説をします。

不倫の被害者に対しても請求は可能

不倫の被害者が、直接職場に乗り込んできて、大声で職場の同僚達に不倫の事実を喧伝することがあります。このようなことがあれば、同僚の接し方も冷たくなり、針のむしろに座る思いに追い込まれ、やがて退職を余儀なくされます。

明らかに不倫の被害者が、職場に不倫の事実を広めたことが原因で退職したのであれば、不倫の慰謝料の支払いを終えた後であっても、不倫の被害者に対して、名誉毀損と経済的損失に対する損害賠償を請求することができます。

不倫の噂を流しても名誉毀損になる

不倫の被害者が職場にバラしてしまうケースばかりでなく、職場の同僚が「〇〇子は、△△課長と不倫をしている」とぃった噂を流すことで、職場に広く知られることがあります。

こうした噂が広まると、会社の人事から何度も事情聴取をされることになります。たとえ不倫の事実がなくても、噂が面白おかしく伝わったことで、会社に居づらくなり、退職を選択せざるを得ない状況に追い込まれてしまう人もいます。

この場合、噂を流した同僚は、公然と事実を適示し人の名誉を毀損したことになるので、名誉毀損に該当します。噂を流されたことによって退職を余儀なくされたのですから、名誉毀損に加えて退職による損失を踏まえた損害賠償を請求することができます。

おわりに

不倫の事実を知ると、被害者は精神的に大きなダメージを受けます。でも、だからといって、不倫の事実を第三者に広めていいわけではありません。もし、職場や家族に不倫の事実を広められた場合は、名誉毀損として損害賠償を求めることが可能です。

不倫の慰謝料請求においては、名誉毀損をされた経緯があれば、減額の要因となり得ます。名誉毀損をされたにもかかわらず慰謝料請求を受けた際には、ぜひ法律の専門家である弁護士に相談をして、適切な対処法についてのアドバイスを受けてください。

まずはお気軽にご相談ください。

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タグ : 不倫
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