不倫相手との手紙が妻に見つかった…手紙だけでも証拠になる?

公開日:2020.04.24  不倫の慰謝料

不倫相手との手紙が妻に見つかった…手紙だけでも証拠になる?  この記事のポイント
  • 手紙は内容次第で不倫の事実を証明する証拠物になり得る
  • 手紙を読んで、相手との肉体関係があることが分かるかが重要

不倫相手とのやり取りは誰もが秘密にしたいと考えるものですが、不倫相手との手紙のちょっとしたやり取りが見つかってしまい不倫を疑われている、というケースは、携帯でのやり取りが基本となっている現代でも数多くあります。

相手との仲が良いことは連想されるものの、直接的な肉体関係があったことは手紙の内容から分からないという場合や、肉体関係があることが記載されているという場合など、様々な状況がありますが、この記事ではそもそも手紙というものが不倫の証拠になるのかということを始めとして、状況に合わせて取るべき対応を解説します。

手紙は有効な証拠として扱われるのか?

配偶者から携帯のチェックを受けることがあるため、LINEやSNSではなく、あえて不倫相手とは手紙でのやり取りをしていた、という方も少なくないようです。

LINEやSNSなどのデジタル情報に比べて、手紙はアナログな情報で異なるもののように感じますが、結論として手紙でも不倫を証明する証拠物になり得ます。ただ、記載されている内容から判断できる情報によって大きく状況は異なるため、以下にまとめていきます。

手紙はLINEやSNSに比べて情報量が少ない

まず、携帯を使ってやり取りをするLINEやSNSと手紙には異なる点があります。

基本的に「誰と」「いつ」やり取りしたかが分かるLINEやSNSに比べ、手紙では相手の名前や日付が記載されていない場合、これらの情報が分かりません。

例えば、手紙で「この前ホテルに行った時…」という内容が記載されていたとしても、そこに日付や相手の名前が書いていなければ、結婚前の元カノとの手紙か、結婚後の不倫相手の女性との手紙なのかは判別がつきません。

極論、日付が入っていたとしても西暦や年号、曜日が記載されていなければ、数年前のものか、今年のものかは分からなくなります。

LINEやSNSであれば分かる情報が不足しているために、手紙が完全な証拠にならないケースがあるということは覚えておきましょう。

ホテルの出入りのツーショット写真と、ホテルに行ったことが分かる手紙は同じ効力を持つ?

不倫の証拠物と一言に言っても様々なものがありますが、例えば、不倫相手とホテルに出入りしているツーショット写真と、不倫相手とホテルに行ったことが分かる手紙とではどのような違いがあるのでしょうか?

一見すると上記の2つは、ホテルに行ったという同じ事実を示すように感じられますが、不倫を証明する証拠物としては大きな情報の違いがあります。

ホテルでのツーショット写真は肉体関係の有無が証明されやすい

ホテルの出入りのツーショット写真である場合、ラブホテルなのかビジネスホテルなのかなど、どのようなホテルだったのかが情報として分かりますし、入る際の写真と出る際の写真の2つがあれば、ホテルでの滞在時間も分かります。反面、ホテル内で何をしていたかという具体的な行為などは当然分かりません。

手紙の場合は肉体関係の有無が証明されにくいがホテル内での行為が記載されている場合は注意が必要

対して、手紙の場合は記載内容にもよりますが、どのようなホテルに行ったのか、ホテルにどのくらい滞在していたかは分からないことが多いでしょう。手紙の内容で「この前ホテルに行った時…」と記載されていたとしても、どのようなホテルか記載されていなければ、仕事の同僚の異性と行った出張先のホテルのことを指していて、肉体関係は無いということに繋がるかもしれません。また、ホテルでの滞在時間が分かる記載内容が無ければ、ホテルには入ったが思いとどまってすぐに出てきた、という可能性もあります。その代わり、手紙でホテル内の性行為の内容が記載されているような場合は、性交渉があったことを証明する効力は高まるでしょう。

一見同じようなことを示す証拠物であっても、情報の違いから、証明できる範囲が異なることがあります。

手紙は「確実な証拠物」になり得るか?

肉体関係の有無について主張が対立する場合、肉体関係があったと主張する側は証拠物を元に証明することになりますが、肉体関係があったことを確実に証明するものとしては性行為中の動画や写真などがあります。

これは誰がどう弁明しても肉体関係を否定することはできない、所謂、確実な証拠物になりますが、そのような証拠物は中々出てきません。

手紙の内容から裁判官が肉体関係を認める可能性がある

実際の裁判などにおいては、第三者である裁判官が証拠物などから肉体関係があったかどうかを認めるかどうかの判断をします。

つまり、性行為中の動画など、確実な証拠物でなくとも、手紙などの内容から、裁判官が性行為はあったと認めた場合、不貞行為ありとして判決が下されることになります。

手紙の内容に、性行為中の様子が記載されていたとしても、「単なる言葉遊びだった」「疑似恋愛を楽しんでいた」という類の主張はできますし、実際の弁護士のやり取りなどにおいてもそうした主張がされることがありますが、裁判となった場合は裁判官が手紙を元に不貞行為を認める可能性があります。

場合によっては、実際にあった不貞行為を否定していたことにより、相手方に裁判を起こされ、明らかに不貞行為が認められる状況であったにも関わらず否定して不反省な態度をとっていたとして、慰謝料の金額が決定する際に不利になるということもあります。

そのため、手紙だから、言い逃れはできるから、という安易な理由で否定したり、不倫相手に手紙がバレただけだから慰謝料の請求が来ても無視していいと勧めたりするのではなく、早めに事実を伝えた上で法律の専門家である弁護士に助言を仰ぐことが無難と言えます。

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手紙が不倫の証拠物になるかは肉体関係の記載があるかが重要

実際に不倫をしている相手と手紙のやり取りをしているとしても、その内容は千差万別でしょう。

不倫を証明する証拠物になるのかを判断する上で重要なのは、手紙の内容に「肉体関係の記載があるか」です。

やり取りをしている二人がかなり親密なことが分かる、という内容であったとしても、その二人は肉体関係があると第三者が読んで断定できるような記載でなければ、不倫の証拠物とは言えない可能性が高いでしょう。

キスやハグをしたことが分かる内容の場合

肉体関係と一言に言っても、どこからが不倫にあたるのか、という疑問をお持ちの方は多いかと思います。よくある例として、手紙の中でキスやハグをした内容が記載されているということがあります。例外はありますが、基本的に不貞行為は性行為、より具体的には挿入行為を指します。

配偶者以外の異性とキスやハグをするという行為は、不適切な行為だと言われるかもしれませんが、基本的にはその事実のみをもって不貞行為とは言えません。そのため、キスやハグをする関係が伺い知れるとしても、その手紙だけで不貞行為を証明する証拠物とはならないと考えられます。同様に、異性と食事に行った、デートをした、という類の内容でも不貞行為には該当しないと言えます。

挿入行為は無いが類似行為があったことが分かる内容の場合

手紙の内容に限らず、相手と挿入行為は無いが似たような行為、所謂ペッティングなどの行為があった場合はどうでしょうか。これも性交渉の一部だと捉えられなくもありませんが、上述の通り、不貞行為の基本的な定義は挿入行為であり、これには当たらないということがまず挙げられます。弁護士はペッティングなどの行為を性交類似行為と表現することがよくあります。

性交類似行為があっても不貞行為には該当しないと思えるため、楽観視できるように見えますが、問題は、手紙の内容で性交類似行為が伺い知れる記載があるとなると、基本的には挿入行為があってもおかしくないと推測されることにあります。そのため「性交類似行為はあったが、その先の挿入行為までは至っている関係ではない」という主張は難しいことが実状ですので、挿入行為まで至っていない理由や状況をどう説明して相手方の理解を得るかについて、弁護士に相談することをお勧めします。

肉体関係があったことが分かる内容の場合

西暦や年号を含めた日付や相手の名前が記載されている手紙の中で、性交渉の感想が書かれてしまっている場合など、手紙から明らかな不貞行為があるとして追求されたり、慰謝料や離婚の請求を受けたりしている方もいるでしょう。そのような場合、やみくもに否定や反発をしたり、相手方の請求事項をそのまま受け入れることは望ましくない結果となってしまうことがあります。手紙が不倫の証拠物になる状況だとしても、相手の請求事項や自分自身の望む解決方法によってどのように対応すべきかは異なります。

例えば、妻が金銭を要求する場合に夫には請求しないが不倫相手の女性に請求する場合もありますし、離婚を要求して子の親権まで要求する場合もあるかもしれません。実際にはどのように相手方や状況と向き合って対応していくかについては一度弁護士に相談するなど、焦らずに決定していくことが望ましいかと思います。

おわりに

この記事では不倫相手との手紙が発覚してしまった場合に焦点を当て、その内容や状況に即して考えられる事項や対処法をまとめてきました。

お読みになっていただいた方の状況が、楽観できる状況であるにせよ悲観してしまう状況であるにせよ、焦って安易に判断することはリスクがあります。特に手紙が発覚したことによって具体的な対応を迫られている場合には注意が必要です。後に手紙以外の証拠物が出てくることにより、初動での対応が後に揚げ足を取られてしまうことにもなりかねません。現状を整理した上で弁護士に相談しながら望むべき解決に向けて対応を決めていくことをお勧めします。不倫相手との手紙が妻に見つかった…手紙だけでも証拠になる?

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タグ : 不倫
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