交際相手が実は既婚者だった!既婚者と知らずに不倫して慰謝料請求されたら

公開日:請求されたら , 不倫の慰謝料 , 恋愛トラブル

彼氏や彼女が既婚者だと知らずに交際していた結果、突然相手の妻や夫から慰謝料を請求されてしまった、というケースがあります。

不倫とは思いもせず純粋に付き合っていたのに、騙されていたなんて…。相手の妻や夫が怒るのはもちろんですが、むしろ自分も被害者では?と思うのは自然なことでしょう。また「結婚していたことを知らずに交際していた」のは許されないことなのか、悩む方もいらっしゃると思います。

さて、このような場合に慰謝料を支払う責任は生じるのでしょうか。

結論から言えば、交際相手が既婚者であることを知らなかった場合は、交際相手の妻や夫に対して慰謝料を支払う責任が生じないケースもあります。

では、どういった場合に慰謝料を支払う責任を負わないのか、万が一慰謝料請求をされた時に、どのように対処するのが適切なのか、法的視点を踏まえて解説したいと思います。

この記事のポイント

  • “不倫”は何で成立するのか?
  • どんな時に”不倫”の慰謝料請求に従わないといけないのか?

彼が既婚者であることが分かった女性

どこからが不倫?

配偶者がいながら不貞行為をすることを、一般的に「不倫」と言います。ここでいう不貞行為とは肉体関係の有無で線引きをすることが自然です。

相手の妻や夫が、パートナーとあなたの不貞行為を認識し、証拠などをつかんだ場合、損害賠償(慰謝料)を求めることができます。

そして、不倫関係に男女が必要である以上、その責任は一方だけにある、とは言えません。そのため、法律上は、不倫関係にある男女について、共同不法行為(民法719条)が成立します。
つまり不倫をした以上その二人とも責任を取りなさい、というのが法律上の建前であり、その結果として、不倫をされた配偶者は、不倫をした配偶者、不倫相手のどちらに対しても慰謝料の請求が可能です。

不倫だと知らなかった場合は?

もちろん、パートナーが「独身やバツイチ」であることをアピールし、あなたもその事実だけを信じてきたという場合、慰謝料を支払う義務はありません
ただし、相手が「独身やバツイチ」であると身分を偽った事実を証明することが必要になります。

そもそも、不倫において慰謝料の請求が認められるのはどうしてなのでしょうか。理由は、不倫が法律上保護されている婚姻関係(夫婦関係)を破壊することになり、不法行為(民法709条)が成立するからです。

不法行為の成立条件

今回のテーマである既婚者との不倫関係であることを認識していなかった場合は、①の故意または過失についてが認められるか否かが問題の争点となります。

「故意」とはその事実(交際相手が既婚者であること)を知っていること、「過失」とは、何らかの落ち度により、その事実を知らなかったこと、を意味します。今回ご説明している、「交際相手が既婚者であることを知らなかった場合」については、不倫自体についての「故意」はないということになります。

「過失」については、不倫に至るまでの経過などから総合的に判断されることになります。ただ、SNSの発達している現代社会において、中々「過失」がない、と判断されるのは難しいのが現実です。典型例としては、当該交際相手のFacebookやSNSに家族写真があがっている、LINEのアカウントに家族写真があがっている、結婚指輪をしていたのに気づかなかった、などの事例は「過失」として認められ、慰謝料請求の対象となる可能性が高いと言えます。

もっとも、「故意」ではなく「過失」のみ認められる場合であれば、慰謝料の金額が減額できる可能性はあります。

自分の身の潔白を証明する方法は?

上述したような背景があるため慰謝料請求に応じないといっても、こじれてしまうと訴訟問題に発展しかねません。
また、万一「慰謝料を払わなければいけない状況」に陥ってしまったとしても、以下のような証拠をもって身の潔白を主張することは大切です。

・メールなどを残しておく

一番伝えやすいのが、LINEやメールなどのチャット履歴です。会話の流れで相手が「バツイチ」や「独身」であることを伝える内容は残しておきましょう。しかし、証拠づくりのために、話の前後であなたが誘導するような流れを作ることは裏目に出ますので避けましょう。

出会いのきっかけとなった「婚活サイト」内でのメッセージ交換などは、それだけで「未婚やバツイチだと偽っていた」証拠につながります。スクリーンショットなどで保存しておくとよいでしょう。

・写真の証拠は効果がない場合も

ツーショット写真など、左手の薬指に指輪をはめていないから証拠になるかもしれないと思うこともありますが、効果がない可能性も考えられます。アリバイ作りに指輪を外すように命じた結果と思われる可能性があるからです。

ただし、出会いのきっかけとなった「婚活パーティー」などの記念写真などは証明として有効であるとされています。
慰謝料を勝ち取りたい女性

逆に慰謝料請求できる?

恋愛関係でパートナーから騙された上に、その妻や夫から慰謝料請求をされるというのは大変に屈辱的なことです。逆にこちらから慰謝料を請求したいと思うこともあるでしょう。

長期間に渡って、相手を騙し肉体関係を継続する行為は法律に反する行為です。
相手に対して身分を偽り、継続的に肉体関係をもたらされたことで被った精神的苦痛に対する慰謝料を請求することは認められています

慰謝料の請求にあたっては下記の手順を踏んで、事態を整理しておきましょう。
①まずは、騙されたことを証明する「証拠物」がないか確認
②パートナーとの交際経緯を書き出し、状況を理解

ただし、先にも記した通り、「独身ではないと思っていたが、確認しなかった」、「自分のほかにも恋愛関係にありそうな人がいることを認識していた」といった場合は慰謝料を請求できないことも考えられます。

もしかしたら慰謝料請求が認められないかもしれないと不安な場合には、諦めてしまう前に早めに法律の専門家に相談しましょう。

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また、パートナーの妻や夫からあなたに対し、不貞行為による慰謝料請求がなされたと仮定します。その時にパートナーに対し「独身者であると偽り(恋愛や肉体的な)関係を持たれていた」ことに対して慰謝料請求をしていた場合、対抗する切り札としても有効に活用することができる可能性があります。

また一点、必ず留意しておきたいのが、既婚者であることを知らされた後の対応です。既婚者である事実を知った後も付き合い続けていた場合は、その時点で不倫関係が成立と見なされます。それだけに留まらず、既婚者であると知り得る状況であったと見なされてしまえば、慰謝料の支払い義務は発生してしまうのです。慰謝料を支払いたくなければ、少しでもパートナーの行動や身分に疑問を持つ場合、その場で関係にピリオドを打つことが大切です。

また、別れを告げる時のメールやチャットアプリの内容は保存しておくとよいでしょう。

まとめ:不倫の慰謝料を払わなくてはいけない場合と最適な対応とは

慰謝料を支払う可能性が高いケースは?

  • ・既婚者であることを知っていて肉体関係を持った
  • ・自分のほかにも恋愛関係にありそうな存在があることは知っていて関係を続けていた
  • ・既婚者であることを匂わせる身なりや行動をとっていたけれどあえて確認しなかった
  • ・相手の誕生日やクリスマスなどのデートは断られるのに疑わなかった

これらの具体例のように、「客観的にみて本当に独身か疑わしいのに確認を怠った」と判断されるケースでは、「不倫」とみなされ、慰謝料を支払わなければならない可能性が高いと言えます。

単純に「パートナーは独身と信じていた」というだけでは説得力に欠けるので注意が必要です。

また、とにかく、不倫であることが発覚した場合は即座に別れることが大切です。
受け取った内容証明郵便を開封し内容を確認した時や、パートナーが既婚者であると何らかの方法で知らされた時点で、あなたとパートナーの関係は「不倫」です。

既婚者であると知らずに交際して、相手の配偶者から慰謝料を請求された場合には、法的に争う要素がいくつか存在します。
もし慰謝料を請求する内容の郵便物が届いたとしても、パートナーやその配偶者のところへ詰め寄ってはいけません。感情任せの行動に出てしまうことで、あなた自身が不利になるからです。

訴訟であれ、交渉であれ、まずは先方がどういった証拠を持っており、主張の内容を的確に把握しないことには、自身が責任を負う根拠がはっきりしません。本当にご自身が責任を取る必要があるのかなど、ケースバイケースの判断となるため、慎重な対応と検討が必要になります。また、判断には法的な知識も少なからず要求されます。

まずは、先方から届いた文書や訴状、証拠などを法律の専門家に実際に見せながら相談することをおすすめします。ご自身にとって、最も適切な防御方法が一体どのようなものであるのかしっかりと検討することが、無用な責任を負わず、極力請求額を少なくする解決策への近道となります。

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