内容証明郵便は受け取り拒否・無視OK?慰謝料請求された際の対処法
公開日:2019.07.03 請求されたら
弁護士
突然、書留扱いで届いた封筒。開封すると配偶者や婚約相手から慰謝料を請求するもの。当方にも言い分があるし、なぜ一方的に金銭を支払う必要があるのか怒りに満ちることもあるかもしれません。
内容証明郵便はあなたにとって不利なものなのか、また受け取った場合どうすべきなのか。受け取りを拒否できるものなのかなどを含め解説していきます。
もくじ
「内容証明郵便」とは?
「内容証明郵便」とは、日本郵便が「いつ・どんな内容の文書を・誰から・誰宛に」差し出されたかを差出人が作成した謄本(コピー)によって証明する制度です。
内容証明郵便は本文と謄写したものを2部作成し、本文は受取人に「一般書留・内容証明郵便」の扱いで郵送され、2通の謄本は差出人と差出郵便局で1通ずつ保管します。
日本郵便が証明するのは、記載された内容の文書の存在のみであり、記載された内容の真偽に関しては証明できません。
この内容証明郵便によって差出人は、差出日から5年以内に限り郵便差出の事実が証明されます。またその内容について閲覧や謄本の証明を受けることができます。
内容証明郵便を発送することの意味とは?
大事なことを伝えるための書簡であることは間違いありませんが、「○○したことに対して慰謝料を支払うように、何月何日に言いました」という事実を立証するために送付されるものです。
つまり水掛け論にならないよう、日本郵政という第三者機関がその事実を証明することに意味を持たせているのです。
また、内容証明郵便を送付することで「本気で法的措置を考えている」ということを相手に伝える手段にもなります。
受け取り拒否・無視したらどうなる?
もちろん、受取人は郵便物の差出についてその受け取りを拒否することができます。その時は開封せず、書留として内容証明郵便を持参した配達員に「受取拒絶」の旨を告げ、署名・押印を行うことで差出人に返還されます。
ただし、差出人には「受け取ってもらえなかった」という事実とともに差出郵便物が返送されますので、「配送した事実」と「その住所に相手は所在している」ことと、「郵便物を受け取らなかった」ということは伝わります。
また、内容証明郵便を受け取ったのち、内容に承服できないなどの理由から無視してしまうこともあるでしょう。ただし、その郵便には慰謝料の額面と支払い期日が書かれている場合も見られます。
もちろん、その内容を無視した場合、相手としては「争う姿勢を見せている」と受け取られることもあるでしょう。慰謝料の支払いをめぐって訴訟に発展することも考えられるため、何らかの対応は必要です。
まずは、受取拒絶の手続きはせずに郵便物を受け取り、内容を確認しましょう。書かれている請求内容については、すぐに対応する必要はありません。
内容を理解できない場合や納得できない場合、本人に連絡を取ることは火に油を注ぐ結果になることも考えられます。まずは落ち着いて、弁護士に相談をすることをおすすめします。
内容証明で慰謝料請求された場合
内容証明郵便と記載された封筒を受け取ると、多くの方が初めてのことなので混乱してしまいます。封筒の中身も内容証明郵便のための特別な用紙が使用されるため、さらに驚くことでしょう。
けれど、落ち着いてください。内容証明郵便には受け取った側の法的義務は発生しません。また、先にも記した通り「あなたに対し、法的措置を考えている」ことを伝える手段でもあるので、まずはいったん、記載された内容を確認しましょう。
まずは内容を確認しましょう。
内容証明郵便の用紙には、慰謝料を求める内容とその理由、支払期日などが書かれていることでしょう。けれど、いったん立ち止まって考えてみましょう。内容証明郵便の送付は一方的な通告です。
支払い期日が記載されているうえ、履行されなかった場合には法的措置に出るといった内容が記載されていてもあわてる必要はありません。
あなたにとって不利な要求だと考えることができるため、すぐに相手の要求に従うことは避けましょう。
弁護士に相談をすることも大切
その慰謝料は本当に支払うべきお金なのか、離婚や婚約破棄に至るまでの経緯はどうだったのか、慰謝料を請求された側にも言い分があるはずです。
まずは、法律に詳しい弁護士に、内容証明郵便の内容を精査してもらいましょう。
また、この慰謝料請求が妥当なものであるのか、お互いが和解できるために話し合う必要があるのかといったところも踏まえ、あなたの気持ちも整理しながら法律に詳しい弁護士と一緒に今後の対応を模索していくことが大切です。
おわりに
内容証明郵便という名目の仰々しさにあわててしまう人もいますが、この郵便物そのものには法的拘束力はありません。
すぐに対応する前に慰謝料等の妥当性などを検討する必要があります。
もちろん、自分一人では対応できるものではありませんし、対応によってはあなたが不利な状況に陥ってしまうことも考えられます。慰謝料請求などのトラブルの対応について経験豊富な弁護士への相談をおすすめします。
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