【不倫の慰謝料】示談交渉とは?自分で交渉するメリットとデメリット
公開日:2019.12.04 不倫の慰謝料
不倫をしていることが不倫相手の配偶者にばれてしまい、突然に慰謝料の請求を受けることがあります。特に請求額が大きい場合には、相手の言うとおりの金額を支払わなければならないのだろうかと不安に駆られることと思います。
不倫相手の配偶者からの慰謝料請求を受けた際には、どのように対処すればよいのでしょうか。不倫相手の配偶者と自分で示談交渉するメリットとデメリット、示談交渉の進め方についてまとめました。
不倫相手の配偶者から慰謝料請求を受けた場合には、焦らず慎重に示談交渉を行うことが大切です。自分で示談交渉をする上で注意すべき点を十分に確認してから交渉に臨みましょう。
もくじ
示談交渉って何をするの?
不倫相手の配偶者から慰謝料請求を受けた際に、裁判手続によることなく相手方と交渉(話し合い)して解決することを示談交渉といいます。
示談交渉の一般的な流れとしては、次のとおりです。
① 不倫相手の配偶者から通知が届く
まず不倫相手の配偶者から文書やメールなどで慰謝料請求をする旨と慰謝料の金額・支払期日が提示されます。
② ①に対する自分の考えを回答する
これに対し、請求を受けた側は減額を求める事や他の要求に応じるか否かを回答する書面で返します。このようにお互いの希望を書面を介して話し合うことで交渉を進めます。
通常、2、3回の書面のやりとりを経て交渉が終了する傾向にありますが、事案によっては長期化することも。
③ 交渉が成立した証として示談書を取り交わす
そしてお互いが合意に達し、交渉が成立した時点で、その内容を示談書(契約書)という書面にまとめます。示談書には、慰謝料の金額、支払い方法、その他の約束事(接触禁止・口外禁止条件・清算条項(お互いにこれ以上なんらの請求もしない事))などが記載され、将来、この不倫問題がトラブルとなることが無いよう、解決の証として取り交わします。
④ 慰謝料の支払いやその他の約束事を果たす
その後、請求を受けた側が不倫相手の配偶者に対して示談書に記載された額の慰謝料を支払期日までに支払います。
自分で交渉するメリットとデメリット
この示談交渉については、弁護士に代理人として依頼し行うこともできますが、自分で交渉する方法もあります。ここでは、自分で交渉する場合のメリットとデメリットをみていきましょう。
自分で交渉するメリット
自分で示談交渉する場合のメリットは何といっても弁護士費用がかからず経済的であることです。弁護士に示談交渉を依頼すると着手金と報酬金を合わせて数十万円の費用がかかることが通常ですが、自分で示談交渉をすれば費用はほとんどかかりません。交渉に必要となる書面の作成やアドバイスを弁護士などの専門家に依頼し、サポートを受けながら交渉を行うことも可能で、その場合にも費用をある程度抑えることが期待できます。
また、自分で示談交渉をすれば直接相手方と話合いができるため、お互いに主張が伝わりやすく、上手くいけば早期に解決できる可能性もあります。
自分で交渉するデメリット
一方、不倫による慰謝料請求では、請求している側である不倫相手の配偶者は精神的に大きなダメージを受けて感情的になっていることが多くあります。このような相手と自分で交渉することに精神的な負担を感じる人も少なくありません。
加えて自分で示談交渉をする場合に最も注意したいのが、示談において確認すべきポイントを見落としたがために、示談書の内容が本来より不利なものとなってしまう可能性があることです。
自分で示談交渉をする時の注意点
それでは、自分で示談交渉をする場合に確認すべきポイントについて次にみていきます。自分で示談交渉する場合には、これらのポイントを踏まえつつ冷静に交渉を進めていきましょう。
不倫相手の配偶者が提示した支払期限内に支払う必要はない
不倫相手の配偶者から慰謝料請求を受けたとき、相手方から支払期日が提示されることが多くあります。この支払期日のスケジュールに余裕がないと、請求を受けた側としては焦ってしまいます。
しかし、実際のところ相手方が提示した支払期日に支払う義務はないのです。この期日はあくまでも慰謝料を請求している不倫相手の配偶者が一方的に決めているものに過ぎないためです。したがって、期日を過ぎたからといってペナルティはありません。
ただし、請求を無視し、何の回答もせずに完全に放置すると裁判になったときに裁判官の心証を害するおそれがあるので、誠実に対応する意思があることと期日の延期を求める連絡だけはしておくとよいでしょう。
なお、支払期日を守らなければならない場合とは、双方が合意に達して示談書を作成した場合や裁判で慰謝料を支払うことが命じられたような場合です。
不倫相手の配偶者がどのような証拠を持っているかを知る
慰謝料請求を受けた場合、不倫相手の配偶者は何かしらの証拠を持っているはずです。ただし、この証拠がどのようなものかは請求を受けた段階ではわかりません。
配偶者が女性と二人で歩いていたと人づてに聞いただけというように、不倫の証拠としては弱いこともあります。このような場合には、相手方が事実関係を誤認して相場より多く請求してきている可能性もあり、減額交渉の余地が大きいといえます。
一方で、不倫相手の配偶者が興信所などを通じた浮気調査によって、かなり確実な証拠をつかんでいることもあります。このような場合には、相手方は裁判も辞さない強気の姿勢で臨んできますので、請求を受けた側が裁判に持ち込みたくないと思うのであれば金額を妥協せざるを得ないことがあります。
謝罪文は安易に提出しない
不倫相手の配偶者から謝罪文の提出を求められることもあります。不倫をしている側は不倫相手の配偶者に対して罪悪感を感じていることが多いため、相手の求めに応じて謝罪文くらいは提出しようと考えるかもしれません。
しかし、万が一示談交渉が決裂して裁判になったような場合、この謝罪文が相手にとって有利な証拠として裁判所に提出されることがあるのです。したがって、少なくとも示談書の作成が終わるまでは安易に謝罪文を提出しないことがよいでしょう。
不倫相手が既婚者であると知らなかった場合は慰謝料支払義務がないことも
不倫相手が、自分が既婚者であることを隠して付き合っているようなケースが意外とあります。この場合、慰謝料の請求を受けた側もある意味で被害者といえます。
そもそも不倫による慰謝料請求が認められるには、不倫についての故意または過失が必要です。このため、相手が既婚者であること、すなわち交際が不倫になることを認識しておらず、また認識を欠いたことについての過失もないような場合には、そもそも慰謝料請求の対象になりません。
このような場合には、減額交渉ではなく慰謝料を支払う義務自体ない旨の主張をしていくことになります。
示談書を準備する
一般的に示談書を自分で作成する方が交渉の主導権を握れるため有利と考えられる傾向にあります。そこで、示談書については可能な限り自分の方から提案する準備をしておくことをおすすめします。
示談書は、不倫による慰謝料請求について最終的な合意の内容を記載する重要な書面です。示談書を一度締結したら、その後内容を撤回することが許されないのが原則。このため、記載内容には細心の注意を払う必要があります。そこで、示談書の準備にあたっては弁護士などの法律の専門家に作成を依頼することが安心です。
おわりに
不倫相手の配偶者から慰謝料請求を受けた場合、誰しも対応の仕方がわからず思い悩むものです。このため、自分で示談交渉を行う場合であっても早めに法律の専門家である弁護士に相談することをおすすめします。
不倫相手の配偶者が提示してきた支払期日や回答期日が迫っているような場合には、放置するのではなくいったん期日の延期を求める旨の回答だけ返したうえで、じっくり対応を検討していきましょう。
この記事に関するご質問や不倫による慰謝料請求に関するお悩みがある場合には、ぜひ当事務所の無料相談窓口にご相談ください。
wooorry
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