カーナビの履歴で不倫(浮気)を疑われ、慰謝料請求を受けたときはどうする?

公開日:2020.04.02  不倫の慰謝料

この記事のポイント

✔︎カーナビの履歴だけで不倫と断定されることは少ないが発覚のきっかけになることがある

✔︎相手がカーナビの履歴以外の決定的な証拠を持っているかを把握することも必要


配偶者が不倫を疑っている場合、まずは証拠をつかもうと考えます。不倫を疑われている側が日常的に車を運転している人であれば、不倫を疑う配偶者がカーナビの履歴を確認しようと考えることは自然なことで、実際にカーナビの履歴に不審な点があるとして不倫を疑われることがあります。

それでは、カーナビの履歴をもとに配偶者から不倫を疑われ慰謝料を請求された場合、どのように対処すべきでしょうか。この記事では、カーナビの履歴を根拠にパートナーから不倫の慰謝料・離婚を請求されたときの対処法について解説します。突然配偶者から不倫の疑いをかけられると、不倫が事実であるか否かにかかわらず動揺してしまうことと思います。焦って対応すると思わぬ結果を招くおそれもありますので、冷静に対処しましょう。

カーナビの履歴は不倫の証拠になる?

多くのカーナビには走行履歴や目的地履歴が記録されています。このため、不倫を疑う配偶者がこれらを調べる可能性は十分にあります。それでは、カーナビの履歴は不倫の証拠となるのでしょうか。

カーナビの履歴だけでは決定的な証拠にならない

不倫により慰謝料請求をするためには、原則として配偶者以外の異性と不貞行為(肉体関係)があったことを証明する必要があります。典型的な不倫の証拠とは、異性とラブホテルに入る瞬間を撮影した写真であり、多くの場合は不倫を疑う配偶者が興信所に調査依頼して取得されます。

このような証拠と比較すると、カーナビの履歴では誰と会って何をしたかということまではわからないため、それだけで不倫を裏付ける決定的な証拠とはいえないことが通常です。

したがって、配偶者から不倫を疑われたときに、その根拠がカーナビの履歴だけであった場合には法的にみて慰謝料請求をすることは難しいといえます。

カーナビの履歴をきっかけに他の証拠をつかまれることも

ただし、カーナビの履歴をきっかけに不倫の決定的証拠をつかまれる可能性はあります。例えば、カーナビの目的地の履歴にラブホテルが記録されていたり、不倫相手のマンションが記録されていたりするようなケースは要注意です。

・ラブホテルの履歴があった場合

ラブホテルに友人と行くことは一般的にはあり得ないため、目的地の履歴にラブホテルが記録されていれば不倫をしている可能性は非常に高いといえます。

そうすると、これをきっかけに配偶者が興信所に調査依頼をすることになります。その結果、ラブホテルに入室する瞬間の写真のような決定的な証拠を取得されることにつながります。

・見知らぬマンションの履歴があった場合

また、見知らぬマンションが目的地に記録されている場合、配偶者はどのようなマンションか調査するでしょう。これをきかっけに、不倫相手のマンションの近くで待ち伏せをされて証拠をつかまれる可能性もあります。

カーナビの履歴以外に車の中の状況で証拠とされる可能性があるものは?

配偶者がカーナビの履歴をもとに不倫を疑っている場合、多くはカーナビ以外の車の中の状況も調べています。そこで、配偶者が調べることの多い車の中の状況について、以下で説明します。

走行メーターから行動範囲を把握される

カーナビの履歴以外にも調べられている可能性があるものとしては、走行メーターがあります。

車で出かける前に走行メーターの数値を確認しておけば、帰ってきたときのメーターの数値から出かける前のメーターの数値を差し引くことで当日の走行距離がわかります。通常は往復しているはずですので、走行距離を2で割った距離がその日の目的地までの距離と推定されます。

したがって、走行メーターを調べれば、目的地履歴などを残していない場合であっても、行動範囲の目星が付けられることがあります。

車内の荷物などが確認されていることも

不倫を疑う配偶者が調査するものとしては車内の荷物や状況があります。例えば、トランク、ダッシュボード、サイドポケットの中に異性の存在を疑わせるものがないかを確認するのです。

不倫相手の性格によっては、わざと車内に自分の化粧品やアクセサリーを残していることがあります。このようなものを発見された場合には、当然不倫をしているとの疑いは高まるといえるでしょう。車内には小物を収納する場所がたくさんあるので、これらのすべてについて不倫を疑う配偶者が調べている可能性はあります。

また、不倫をする人は、自分の車に不倫相手を乗せた後、配偶者にばれないように綺麗に清掃してから帰宅する人が多いといわれています。このため、普段それほど綺麗好きでないのに清掃しているとかえって不倫の疑いを招くこともあります。

カーナビの履歴で不倫と断定され慰謝料請求されたときの対処法

カーナビの履歴だけでは不倫と断定することは難しいのですが、ほかの証拠とあわせて不倫と断定されることがあります。このように、不倫による慰謝料請求を受けた場合にはどのように対処すればよいのでしょうか。

不倫の慰謝料相場

不倫の慰謝料相場については、数十万円~300万円と大きな開きがあるのが実情です。これは、それぞれのケースごとに事情が異なってくるからです。

例えば、不貞行為の回数が多く継続性があるほど慰謝料は高くなる傾向にあります。また、もともとの夫婦関係が円満であれば、そうでない場合と比較して慰謝料は高くなります。このような事情を加味して、不倫に対する妥当な慰謝料額を定められることになります。

なお、慰謝料を請求する配偶者の側にも不倫に至った原因のあるケースがあります。例えば、長期間にわたり性的交渉を拒否しているような場合や、慰謝料を請求している配偶者自身も不倫をしていた過去があるような場合です。このようなケースでは、慰謝料額が通常よりも減額されることがあります。

不倫発覚から離婚までの流れ

不倫が発覚した後、残念ながら離婚に至るケースもあります。不倫は法的には「不貞行為」と呼ばれ、法律上離婚が認められる事由の一つと定められているためです(民法770条1項1号)。

離婚を求める配偶者が、ラブホテルに入る瞬間の写真など決定的な不倫の証拠をつかんでいれば裁判で争ったとしても離婚が認められることがほとんどです。したがって、不倫の決定的証拠がある場合に離婚を求められたら受け入れざるを得なくなる可能性があるといえるでしょう。

離婚をする場合には、不倫による慰謝料だけでなく財産分与や自宅の処分、子供がいる場合の親権・養育費等についても配偶者と話し合いを行います。夫婦の話合いだけで決められない場合には、裁判所に調停を申し立て、調停委員をはさんだ話し合いが行われることもあります。

夫婦間で離婚についての話し合いが合意に至ったら、合意の内容を離婚協議書として書面に残すことが重要です。慰謝料をなんのために支払うのか、財産分与や養育費について口約束だけでは後々相手から条件の変更を求められる可能性もあり、せっかく長い時間をかけて話し合って決めた意味がなくなります。また、慰謝料の支払い目的を明確にしていなかったために、追加で慰謝料の請求を受ける可能性も生じるかもしれません。

おわりに

カーナビの履歴を理由に配偶者から不倫であるとして慰謝料請求受けた場合、履歴以外に何か証拠があるのかを把握することが大切です。もし、カーナビの履歴だけが不倫を疑った理由であるのなら慰謝料請求は難しいので配偶者の感情を納めるように話し合うことで解決することがあります。反対に、配偶者がカーナビの履歴以外にも決定的な証拠を持っている場合には、慰謝料請求が認められる可能性があるため、早急に法律の専門家である弁護士に相談をすることをおすすめします。

この記事に関するご質問や不倫による慰謝料請求に関するお悩みがある場合には、ぜひ当事務所の無料相談窓口にご相談ください。

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タグ : 不倫
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