プラトニックラブは浮気・不倫になる?
公開日:2020.03.21 不倫の慰謝料
この記事のポイント
✔︎プラトニックラブの場合も肉体関係があると疑いを抱かせる付き合いであれば不倫となることがある
✔︎プラトニックラブの場合は不倫であると認められたとしても慰謝料の金額は低額であることが多い
不倫を疑う配偶者から、ほかの異性と親密なメッセージのやり取りをしていたなどという理由で不倫慰謝料の請求を受けることがあります。
確かにメッセージのやり取りをしていたとしても、肉体関係をもっていないプラトニックラブであった場合に不倫となるのでしょうか。プラトニックラブの場合に慰謝料の支払いなどの法的責任を負うことがあるのかを解説します。
プラトニックラブの場合には本人が不倫であると認識していないことも多いため、慰謝料請求を受けると戸惑うことと思います。そこで、プラトニックラブを不倫といわれた場合の対処方法について十分に確認して対処していきましょう。
もくじ
プラトニック不倫とは?
不倫に限らないことですが、プラトニックとは「精神的な」という意味合いで使われます。つまり、プラトニックラブとは愛情はあるものの肉体関係を伴わない関係性を指します。
プラトニック不倫といった場合には、配偶者以外の異性との間で恋愛感情や愛情はあるものの肉体関係を有しない継続的な関係ということになります。
一般的に、不倫関係というと男女間の肉体関係を想像しますが、既婚者であるという配慮もあり肉体関係は持たずに恋愛関係を続けるというケースは意外とあります。
既婚者のプラトニックな交際は慰謝料の支払い義務は生じる?
そもそも、不倫といわれないために肉体関係を控えた付き合いをしていることが多いため、慰謝料請求を受けることには違和感を覚える人もいることでしょう。既婚者が配偶者以外の異性とプラトニックな交際をしていた場合、不倫慰謝料を支払わなければならないのでしょうか。
不倫となる場合とは?
そもそも、配偶者の一方が配偶者や不倫相手に慰謝料を請求するためには、民法上違法とされる「不貞行為」にあたる必要があります。
「不貞行為」の典型的な例が肉体関係であるため、肉体関係があれば不倫慰謝料が認められることにはそれほど争いはありません。これに加え、肉体関係が無い場合であっても結婚生活の平穏が害されるのであれば「不貞行為」にあたるというのが裁判所の考え方です。「不法行為」が成立する場合には、慰謝料の支払い義務が生じます。
プラトニック不倫が争われた事例
実際にどの程度のやり取りがあった場合に「不法行為」とされるかはケースバイケースです。ここでは、実際に裁判でプラトニック不倫が争われた事例においてどのような判断がされたかを見ていきましょう。
・親密なメッセージのやり取りがある場合
例えば、他の異性とのメッセージの内容が性的な内容を含むものであった場合には「不法行為」であると認められやすい傾向にあります。
性的な内容を含まない場合でも、「逢いたい」「大好きだよ」という愛情表現を含むメールのやり取りがあった事例について、身体的接触を持っているような印象を与え結婚生活の平穏を害するとして「不法行為」にあたるとした裁判例もあります。
もっとも、この事例と類似していますが、「愛してる」「大好き」などといった親密な異性としてのメッセージのやり取りが認められたものについて「不法行為」にあたらないとした裁判例もあるため、裁判所の判断は分かれているというのが実情です。
重要なことは、プラトニックラブの不倫であったとしても、不倫相手とのメールなどのやり取りを見たもう一方の配偶者が肉体関係を持っているとの疑いを抱く内容であった場合にはメールのやり取り自体が「不法行為」と判断される可能性があるということです。
・定期的に会っている場合
メッセージのやり取り以外にも、例えば夕食を共にするなど肉体関係は持っていないが定期的に会っていたというケースがあります。
裁判例は、単に定期的に会っていたというだけでは婚姻関係を破綻させる付き合いとまではいえないため「不法行為」にはあたらないとしています。
ただし、かつて肉体関係を持っていたことが確実な相手と深夜に会っていたなどというケースでは、肉体関係を再び持っていたと配偶者が疑うこともやむを得ません。このようなケースについて「不法行為」と判断した裁判例もあります。
要するに、メールのやり取りであれ定期的な面会であれ、肉体関係があったのではないかと一方の配偶者に疑いを抱かせる付き合い方であれば実際にプラトニックラブであったとしても不倫慰謝料の対象となることがあるということです。
なお、肉体関係を認める直接的な証拠がないプラトニック不倫において慰謝料の金額は低額に抑えられることが一般的であり、20万円~30万円程度となることが多いでしょう。
プラトニック不倫で慰謝料請求されたときの対処法
プラトニックラブであるにもかかわらず、一方の配偶者から不倫として慰謝料請求を受けた場合にはどのように対処すればよいのでしょうか。
相手の持っている証拠を確認する
不倫慰謝料を請求できる典型的な証拠は、ラブホテルに他の異性と一緒に出入りする場面の写真です。多くは、興信所などに調査依頼して取得されたものです。
ラブホテルは一般的には肉体関係を持つ場所ですので、ここに他の異性と出入りしていること自体が肉体関係の存在を強く疑わせるのです。
これに対し、プラトニックラブの場合には決定的な証拠に乏しいことがあります。例えば、配偶者が他の異性と一緒に食事をしていたとしても、それは仕事上の付き合いである可能性もあり必ずしも不倫であるとは言い切れません。また、メッセージのやり取りについても配偶者に見られる可能性を考慮して削除していることが多いため、決定的な証拠が残りにくいのです。
したがって、配偶者の一方から不倫を疑われたものの肉体関係を持っていないという場合には、まず相手がどのような証拠に基づいて不倫であると主張しているか確認する必要があります。
その上で、不倫を疑う配偶者が勘違いにより不倫であると思い込んでいる場合には、丁寧に説明することで解決することがあります。
慰謝料の減額交渉をする
肉体関係を持っていないにもかかわらず不倫であるとして慰謝料を請求された場合には、そもそも不倫ではないことについて理解を求める必要があります。
その際、相手は感情的になっていることが多いため、誤解を抱かせたことや不安を感じさせたことについては誠実に謝罪した上で、肉体関係はなく不倫にはあたらないことを伝えることが大切です。
それでも、相手が慰謝料の支払いを強く求める場合には、慰謝料の減額交渉もあわせて検討する必要があります。プラトニックラブの場合にはたとえ裁判に持ち込んだとしても慰謝料の金額は低く抑えられることが一般的であるためです。
おわりに
他の異性との間で愛情関係があったとしても、肉体関係さえ持っていなければ不倫にあたらないと考えている人も多いことと思います。実際には、もう一方の配偶者に他の異性と肉体関係を持っていると疑いを抱かせる付き合いであれば、肉体関係がなかったとしても不倫慰謝料の対象となることがあります。
プラトニックラブの場合に不倫となるかはケースバイケースです。したがって、実際に肉体関係を持っていないのに不倫慰謝料の請求を受けた場合には、早急に法律の専門家である弁護士に相談をすることをおすすめします。
この記事に関するご質問や不倫による慰謝料請求に関するお悩みがある場合には、ぜひ当事務所の無料相談窓口にご相談ください。
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