不倫相手から妊娠を告げられた時に知るべきこと

公開日:2020.04.01  不倫の慰謝料

この記事のポイント

✔︎不倫相手の妊娠が発覚したときにとるべき対応

✔︎不倫相手が妊娠した場合の対応方法


妻に内緒で女性と交際し、肉体関係を持っているような場合には、いかに避妊具を使っていたからといっても、不倫相手が妊娠をする可能性は避けられません。突然の妊娠の告白にパニックになってしまう方も多いのですが、この時の対応を誤ると多方面にトラブルとなってしまう可能性があります。この記事では、不倫相手から妊娠を告げられた時の行動や法律知識についてお伝えします。

不倫相手から「妊娠した」告げられたときに取るべき行動

不倫相手が妊娠を告げてきた場合に、まずどのような行動を取るべきでしょうか。

妊娠を病院で確認する

まず、妊娠の事実が本当かどうか確認しましょう。

不倫という状態は当事者の想像以上にストレスがかかっていることがあり、それが原因で整理が遅れているような場合もあります。また、相手が妻と別れてもらいたくて虚偽の事実を告げているだけの場合もあります。まずは、本当に妊娠をしているかどうかを確認すべきといえます。単純に妊娠検査薬によるだけではなく、妊娠の有無を確認できる妊娠5週目以降に病院で妊娠している事を確認すべきです。また、本当に自分の子供なのか?不倫相手が別の男性と性交渉を持っているようなことを疑われる場合には、DNA検査をしてもらうのも一つの方法です。もちろんこのような事を告げるのは心苦しいものではあるのですが、以後の行動を慎重にしたい、妻との話し合いに不可欠であることを伝えて理解してもらう必要があるかもしれません。

今後の事について話し合う

妊娠が真実である場合には、今後の事について話し合いましょう。次のようなポイントが決定事項になります。

  • 産むか中絶するか ⇒中絶する場合には中絶費用や慰謝料をどうするか
  • 産む場合には、現在の妻と離婚して結婚をするか ⇒しない場合には子供の認知・養育費をどうするか

男性側も動揺をすることは避けられませんが、女性の側も自分の体に生まれる変化、つわりなどによる体調の変化、将来への不安で気が動転していることがあります。この時に自分の意思だけを一方的に主張するようでは、相手の気持ちに配慮が足らず、相手を傷つけ、トラブルを大きくしかねません。まずは相手の考えを聞いた上で、自分の考えを伝えることが重要でしょう。

不倫相手が妊娠していた時に発生する法律関係

不倫相手が妊娠していた時に発生する法律関係について知っておきましょう。

離婚原因となる

当然ですが、妻にわかってしまい、妻から離婚を請求された際には、民法第770条1号の「配偶者に不貞な行為があったとき」に該当するため、離婚原因があるということになります。

中絶費用は?

中絶する場合の費用負担については、明確に法律で決められたものはありません。正確に考えるならば、女性の妊娠にどれくらい男性の責任があるか、によって異なります。

一方的に避妊具無しに関係を迫ったような場合には男性側の帰責が多いといえますし、当事者双方合意で避妊をせずに性交渉をした、避妊をしたにもかかわらず妊娠をした、というような場合にはどちらの責任ともいえない事になります。ただ、一般的には中絶費用は折半するのが妥当といえます。

認知をするとどうなる?

このようなケースではよく「認知」をする・しないという話になります。認知をすると法律上どのような関係が生じるのでしょうか?

認知をすることによって法律上も親子関係が生じることになります。そのため、養育をする義務が父親にも生ずることから、養育費の支払い(預かる場合にはきちんと育てる義務も)が発生します。また、認知をしているだけでも、法律上の子であることに変わりないので、父親が亡くなった際には相続人となります。相続が発生した際には戸籍を全部取り寄せますので、仮に家族に内緒にしていたとしても家族にはわかってしまうことになります。

認知しなかったらどうなる?

認知をしなければどうなるのでしょうか。母・子の側から何も請求がなければ特に親子関係が発生するような事はありません。しかし、母・子の側から認知を迫る訴え(民法第787条)をすることはでき、裁判で親子関係が肯定されると、強制的に認知したのと同じ状態になります。これにより、養育費の支払いが必要になる・相続人になるといった事は避けられなくなります。

養育費はどうやってきめる?

養育費はどのようにして決定するのでしょうか。養育費を一律に定めている法律はなく、男性の収入・女性の収入などを総合的に判断して決定します。養育義務があるのは成人するまでですので、現行法では20歳になるまでの養育費を当事者間で話し合いで決定し、決定できない場合には裁判所で決定してもらいます。昨今では大学を卒業する人も多いので、大学卒業までの養育費の支払いをすることも多く、その場合には浪人したらどうなるのか、留年したらどうなるのか、といったことまで詳しく決めておくことが望ましいといえます。

中絶を強制することはできるの?

夫の側からは完全に望んでいない妊娠である場合で、不倫相手が中絶をしない場合に、裁判その他の方法で中絶を強制することはできるのでしょうか。中絶はあくまで母親の意思によって行うことで、これを強制することは、法律的にどのような手段によっても行うことはできません。

不倫相手が妊娠をすることによって生じる慰謝料の問題

不倫相手が妊娠をしたことによって、夫は不倫相手に慰謝料の支払いをしなければならないのでしょうか。

まず、妊娠はお互い不倫関係にありながら性行為をしたことによって発生するので、どちらか一方のみが責任を負う関係にはないといえます。そのため、中絶のための費用が発生する以上の慰謝料請求は認められないのが通常です。しかし、妊娠から中絶までに以下のような事情があるような場合には、慰謝料請求の対象になります。

強制性交を行った場合

まず、妊娠をした原因が強制性交(強姦)によるような場合には、女性の側に落ち度はなくただの被害者という事になりますので、慰謝料請求の対象になります。

結婚をしていたことを隠していた

女性としても結婚をしている相手と不倫をすることは、相手の家庭環境を壊すようなことになりますので、知っていれば不倫・性行為をするような事はなかったといえる場合も存在します。

しかし、夫が結婚をして既婚者であるという事を秘匿していたような場合には、不倫相手としては望まない形で妊娠をさせられたことになり、慰謝料請求の対象になります。

避妊していると嘘をついて性行為を行った結果妊娠したような場合

性行為を行うにあたって、嘘をついて避妊を行わないで性行為をした結果、不倫相手が妊娠したような場合には、妊娠について男性の側に責任があると考えられますので、慰謝料請求の対象になります。

暴力・脅迫により中絶をさせたような場合

上述したように中絶を強制する法律的な手段はありません。妊娠をした不倫相手に暴力を振るったり、脅迫をしたりなどして、望まない形で中絶をさせた場合には、その事自体が強要罪という刑法に違反する犯罪行為になり、民事でも慰謝料請求の対象となります。

妊娠後に誠実な対応をしなかった

これ以外にも、妊娠後に誠実な対応をしなかった結果、不倫相手に慰謝料請求を認めるような事態に陥った場合には、支払いをしなければならなくなります。たとえば、妊娠が発覚してから一切連絡をしなくなった、妊娠の責任を他の男性との性行為が理由であると責任回避をつづけた、というような場合が考えられます。

夫は妻に対しても慰謝料を支払う義務がある

これ以外にも夫は妻に対して不貞な行為を行ったという理由から慰謝料の対象となります。この場合に、妻が夫に請求することはもちろんですが、不倫相手が不倫であることを認識して性行為をした結果妊娠したような場合には不法行為に加担したといえる関係になりますので、妻は不倫相手にも慰謝料請求をすることができます。このときの夫と不倫相手の関係は連帯債務(不真正連帯)という関係になり、どちらかに全額の請求をすることも可能になります。

おわりに

この記事では不倫相手が妊娠したとなった場合に夫がとるべき行動と、法律関係についてお伝えしてきました。

あなたの行動次第では不倫相手・妻両方から慰謝料請求等を請求される可能性もあるかもしれません。突然、慰謝料請求をされた場合や、どのような対応がベストであるかが悩まれる場合には、法律の専門家である弁護士にアドバイスを求めるもの有効なひとつの方法ではないでしょうか。

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タグ : 不倫
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