【不倫の慰謝料】慰謝料を請求している側が離婚する場合としない場合の慰謝料額の違いとは?

公開日:2019.12.04  不倫の慰謝料

壊れた愛情とお金

不倫を巡るトラブルでは、被害者側の精神的な損害について金銭による清算がなされます。お金の支払いをいくら受けても心理的なわだかまりはなお残るとは思いますが、被害を受けた側はできるだけ多くの慰謝料を望み、支払う義務がある側はできるだけ低額に抑えたい、というのが両者の基本的な立ち位置になります。

不倫を巡る慰謝料の扱いについては、一定の相場はあるものの、不倫によって離婚にまで至ったのか、それまでの夫婦関係はどうだったのかなど、個別ケースにより費用感に影響する要素が色々と絡んできます。

この記事では、慰謝料を請求する側が離婚する場合としない場合の不倫の慰謝料額に与える影響について解説していきます。

 

離婚する場合と離婚しない場合の慰謝料相場とは

不倫の慰謝料金額を増減させる大きな要素に「不倫を原因として離婚にまで至ったかどうか」という点があります。離婚は人の人生に大きなダメージを負わせる事態ですから、不倫によってその原因を作った側は大きな責任を問われます。そのため、不倫を原因として離婚にまで至った場合は、そうでないケースと比べると慰謝料額は高額となる傾向にあります。

一般に、不倫の慰謝料は大体数十万円程度~300万円程度が相場とされていますが、離婚にまで発展するケースでは、200万円~300万円程度が大体の目安となります。もちろん個別ケースで実際の金額はかなり異なってはきますが、基本的には離婚にまで至らしめた責任として、最上限度の慰謝料が認められる可能性が高まります。

 

別居の場合は?

では、離婚にまでは至らなかったものの、不倫を原因として夫婦が別居に至った場合はどうでしょうか。この場合は離婚ほどではないものの、やはり夫婦関係に大きな亀裂を生じさせた責任が問われます。

上で見た慰謝料相場のうち、不倫を機に別居に至った場合はおおよそ100万円~200万円程度が相場となります。裁判によらず当事者間で慰謝料の請求や清算の手続きを取る場合でも、概ね上記の金額を目安に話し合われることが多くあります。そして、不倫を機に夫婦がどうなったかだけでなく、不倫以前の夫婦関係の状況も慰謝料額に影響を及ぼすことがあります。これを次の項で見てみましょう。

 

不倫発覚前の夫婦関係の状況が慰謝料額に影響する?

不倫行為が夫婦の関係を悪化させたり、ケースによっては離婚という重大な事態を引き起こしたりすることに対して、被害者側の精神的な損害を金銭的に手当てするために支払うのが慰謝料の性質です。

不倫問題の場合、精神的な「損害」は目に見えませんが、イメージとして他のケースと比較してみましょう。

例えば車をぶつけられて、修理のために必要となる修理代金や新しい代替車の購入資金額を損害賠償として請求する場面を考えてください。修理代金や代替車の購入代金は、ぶつけられた元の車が高額であればあるほど高くなり、逆の元の車が安ければその「損害」の程度も小さいと考えて賠償金額が小さくなるのが普通です。

種類は異なりますが、不倫問題の場合もこれに似たイメージを持つことができます。

不倫前の夫婦関係が良好であった場合、仮に別居や離婚に至ったとすれば、安定した状態から一気に奈落に突き落とされるような感覚で、被害者のダメージは大きくなると考えられます。そのため不倫前の夫婦関係が良好であれば、損害は大きく算定され、慰謝料も増額傾向に傾きます。

逆に不倫に至る前の夫婦関係が良好でなかったのであれば、元々夫婦関係は冷めていたのだから、精神的な損害もそれほど大きくはならないだろうと考えられる傾向にあります。この場合は慰謝料額としては減額される可能性が生じます。

具体的には、慰謝料額を算定する上で以下のような点が考慮されることになります。

 

①夫婦仲の良し悪し

日頃の夫婦仲が円満だった場合は、その状態を壊された精神的損害が大きくなると考えられるので、慰謝料は増額に傾きます。しかし夫婦関係に何らかの問題(DVや過去の不倫問題、経済的問題など)が生じて悪化し、夫婦関係が破たん寸前だったようなケースでは、夫婦関係に与えた損害は円満な場合に比べて小さいと考えられ、慰謝料は減額に傾きます。

 

②婚姻期間

夫婦の婚姻期間が長ければそれだけ安定しているとみられ慰謝料が増額に傾きますし、婚姻期間が短ければ減額に傾きます。

 

③被害者側の落ち度

不倫をされた側の被害者が例えば不倫をした配偶者を日頃から邪険にしていたり、特に理由もなく性交渉を拒否するなどの行動があった場合には、被害者側にも落ち度があったとして慰謝料の減額理由になります。

 

④夫婦に子どもがいるかどうか

子どもがいる家庭では不倫による家庭破壊のダメージが大きくなると考えられるので、子がいない家庭に比べて慰謝料額は上昇します。

実際には、他にも慰謝料の費用感を増減させる要因が多くあります。代表的なものを簡単に見てみましょう。

・不倫が続いた期間

・不倫をした当事者が肉体関係を持った回数

・過去にも不倫をした経験があるかどうか

・不倫をはたらいた配偶者の反省度合

・不倫をした当事者の社会的制裁の有無

・不倫をした当事者の収入の多寡や社会的な地位の高さ

個別ケースでは、こうした様々な要素を加味して慰謝料額の判定をしていくことになります。

 

おわりに

この記事では、不倫問題にかかる慰謝料について、夫婦が離婚に至ったか否かで慰謝料額に影響がでるかについてと慰謝料の算定に関係する種々の要素を見てきました。

簡潔に考えれば、離婚は被害者の損害がもっとも大きく評価される指標になり、慰謝料も高額となる傾向にあり、別居に止まる場合でも、その損害の大きさも十分に評価を受けることが分りました。ただそれ以外にも慰謝料の算定には多くの要素が絡んでくるので、実際のケースでは費用感の算定は素人には難しいのが実情です。

個々のケースによって様々な事情が生じますので、慰謝料額はいくらが妥当なのかという疑問については、弁護士に個々に相談されることをお勧めします。

この記事に関するご質問や不倫の慰謝料問題についてお悩みの方はぜひ当事務所の無料相談窓口までご相談ください。

 

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タグ : 不倫
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