妻・夫の同性愛は不貞行為に該当する?

公開日:2020.02.08  不倫の慰謝料

この記事のポイント

✔︎法律上、不貞行為とは配偶者以外の異性との性交渉であり同性との性交渉は該当しない

✔︎過去の裁判で、同性との性交渉も「不貞行為」とみなし、慰謝料の支払いが認められたことはある


現在、法的な婚姻は異性間でしか認められていませんが、現実には、同性へ恋愛感情を抱く人が少なからずいます。結婚後、同性と不倫関係になり、それが発覚した場合、はたして慰謝料は請求されるのでしょうか。この記事では、同性との不倫は、どんな関係になれば不貞行為となりえるのかについて解説していきます。

同性との性交渉は法律上の不貞行為に該当する?

同性と性的関係があることが配偶者に発覚した場合、法律上の不貞行為に該当するのか否かについてみていきましょう。

不貞行為とは異性との性行為のこと

不貞行為の法律上の定義は「自由な意思に基づいて配偶者以外の異性との性交渉を行う事」とされています。「異性との性交渉」と断定していることから、同性との性交渉は法的には不貞行為に該当しないと考えられます。

同性との性交渉を不貞行為と認めた判例もある

しかし、過去には、同性との性交渉も不貞行為であるとした、次のような判例もあります。

日本国民法770条1項1号にいう「不貞」とは、性別の異なる相手方と性的関係を持つことだけではなく、性別の同じ相手方と性的関係を持つことも含まれるというべきであるから、被告の行為は、夫である原告との関係では、上記「不貞」に該当するというべきである。(東京地方裁判所 平成16年4月7日)

これは地方裁判所の判例であるため、今後、上級裁判所において別の判例が示される可能性もあります。一方で、ゲイ、レズビアン、ホモセクシャルといった多様なセクシュアリティの総称であるLGBTへの認知が深まった昨今の社会情勢の中で、この判例を支持する判例が示される可能性は大いにあります。

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同性との不倫で慰謝料を支払う義務はある?

法律上の解釈はともかくとしても、配偶者は少なからず精神的苦痛を強いられる可能性もあります。そのため、同性との不倫が原因で夫婦関係が破綻し、離婚に至る可能性は大いにありえます。

この場合、同性との性交渉が不貞行為として認められるか否かに関係なく、「平穏な夫婦関係を侵害する行為」として不法行為が成立し、慰謝料の支払い義務が生じる可能性があるでしょう。

(参考:『共同不法行為とは?その意味と成立条件』

 

おわりに

同性との性交渉は、法的な不貞行為には該当しないとはいえ、夫婦関係を破綻させ、損害を賠償する責任が生じる可能性が十分にあります。

不倫を原因として慰謝料請求受けた場合、まずは相手がどこまでの事実を知っていて、証拠があるのかどうかも把握することが大切です。慰謝料を請求している人が確証もなく請求を行なっているケースもあるからです。多くの慰謝料トラブルは話し合いで解決ができることも多く、誠実に適切な対応を行うことで穏便に解決することができます。

今回のケースのようにLGBTに関する問題であれば、このことをきっかけとして夫婦で問題解決を模索していくという道もあり得ると思いますので、是非一人で悩まず、弁護士などに相談をしてみましょう。

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タグ : 不倫
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